複利の積立の漸化式

複利式の漸化式

利子率 $r$, 毎回の積立額 $a$ とする. $a_n$ を $n$ 回目の利子を受け取った後の元利合計とする. $$a_{n+1} = (1+r)a_n + a.$$

複利式積立の公式

利子率 $r$, 毎回の積立額 $a$ とする. 初回の投資額を $a_1$ とする. $n$ 回目の利子を受け取った後の元利合計: $$\left(a_1 + \frac{a}{r} \right)(1+r)^n - \frac{a}{r}$$

ただし, $n$ 回目の利子を受け取った回に積み立てた額も含む。

複利で毎回同額の積立をする場合の漸化式 $a_{n+1} = (1+r)a_{n} + a$ と一般項を扱ってみよう。

利子率が $r$ で, $n$ 回目の利子を受け取りその回の積立額 $a$ も含めた元利総額を $a_n$ としています。

複利の利子率が $10\%(r=0.1)$, 毎回の積立額が $10$ (万)円, 初回の投資額を $50$ (万)円 とする。$n$ 回目の利子を受け取った後の資産の定義式は $$a_{n+1} = (1+0.1)a_n + 10$$ となる。この数列の一般項を導くと次の式になる: $$a_n = 150 (1.1)^{n}-100$$

複利式の理解

複利式で年利積立の場合の条件式は

(次年度の残高)=(今年度の残高)×(1+利率) + (積立金)

である。初回の元金を $a_0$ とする。$n$ 年目の残高を $a_n$ とすると $a_{n+1} = (1+r)a_n + a$ となる。

基本の解法

積立額(複利式)の漸化式 $a_{n+1} = (1+r)a_{n} + a$ から一般項を導く解法は $a_{n+1} = pa_n +q (p \neq 1)$ の形の漸化式から一般項を導く方法を利用する。

漸化式 $a_{n+1} = pa_n + q$ から一般項を導く

漸化式 $a_{n+1} = pa_n + q$ から数列 $\{a_n \}_n$ の一般項を導出してみよう。 例えば, 漸化式 $a_{n+1} = 2a_n -1$, $a_1 = 3$ の場合, 一般項は $a_ […]

例題. 複利の利子率が $10\%$, 毎回の積立額が $10$ (万)円, 初回の投資額を $50$ (万)円 とする。$n$ 回目の利子を受け取った後の資産はいくらか。

与えられた条件から $n$ 年目の資産 $a_n$ が満たす漸化式は $a_{n+1} = 1.1 a_n + 10$, $a_0 = 50$ とできる。

$r = 0.1$, $a = 10$(万), $a_1 = 50$(万).

この漸化式は $a_{n+1} +100 = 1.1(a_n + 100)$ と変形できる。

$a_{n+1} = pa_n +q$ は $x = px+q$ を満たす $x$ を用いて, $a_{n+1} - x = p(a_n -x)$ と変形できる。

$\displaystyle x = -\frac{a}{r}$ は積立額を利率で割った値のマイナスを付けたもの.

$\{ a_n + 100 \}_n$ という数列は公比 $1.1$ の等比数列である。また, 初項は $a_0+100 = 50+100 = 150$ である。ゆえに, $a_n + 100 = 150 (1.1)^n$ とできる。

$b_n = a_n+100$ と置くと, $b_{n+1} = a_{n+1} + 100$ である。$a_{n+1} +100 = 1.1(a_n +100)$ は $b_{n+1} = 1.1 \cdot b_n$ となる。

以上から $$a_n = 150 (1.1)^n-100$$ を得る。

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