
Illustarator(adobe)を使って、ベン図を作る方法を紹介します。
ベン図は集合の重なりを視覚化する図です。
集合の共通部分や和集合などをIllustratorの「シェイプを結合」や「すべてを分割」の機能を利用して色分けする方法も紹介します!
※iPad版Illustratorで作業しています。
Illustratorでシェイプを結合する
ベン図を現す集合として丸の形を2つ用意しました。
左側の黒丸を集合 $A$, 右側の橙丸を集合 $B$ を表す図形とします。

2つの図形が重なるように移動させます。
2つの図形を同時に選択した状態で、次の図に示したマークを押します。(次の図を参照してください。)

すると、シェイプを結合の中に「すべてを合体」「全面オブジェクトで型抜き」「交差」「中マド」といった項目が現れます。

これらの項目を選択すると、図形がその形に結合されます。
それぞれイメージ図が出ているの分かりやすいですね!
1つずつ確認していきましょう。
すべてを合体
「すべてを合体」を使うと、2つの図形がすべて重なり合った図形ができます。もともと上にあった図形の色に統一されます。

ベン図のこの部分は数学では和集合といい、$A \cup B$ として表します。
前面オブジェクトで型抜き
「前面オブジェクトで型抜き」を使うと、2つの図形のうち、前にあった図形で、後ろにある図形を切り抜いた図形ができます。このときの色は、切り抜かられた図形(後ろにある図形)の色のままになっています。

ベン図のこの部分は数学では差集合といい、$A \backslash B$ として表します。
交差
「交差」を使うと、2つの図形が重なっている部分だけの図形ができます。このときは、もともと上にあった図形の色になります。

ベン図のこの部分は数学では共通部分といい、$A \cap B$ として表します。
中マド
「中マド」を使うと、2つの図形の全体から2つの図形が重なっている部分だけを切り抜いた図形ができます。このときも、もともと上にあった図形の色になります。

ベン図のこの部分は数学では対称差といい、$A \bigtriangleup B$ や $A \ominus B$ といった記号で表します。
上記のことから、和集合から共通部分を切り取った集合が対称差ということが成り立ちます。実は、数学の集合の式でも同様に成り立ち、次のように表します。
$$(A\cup B) \backslash (A \cup B) = A \bigtriangleup B$$
Illustratorですべてを分割する
次は、3つのシェイプ(集合)の重なりを色付けていきましょう。
まず、3つの丸い図形を重ねたものに対して、先ほどの操作を見てみます。
3つの図形を同時に選択した状態で「シェイプを結合」の機能を見ます。

「すべてを合体」「前面オブジェクトで型抜き」「交差」「中マド」のそれぞれの機能は3つの図形でも利用できることが分かります。
今回は左下の図形が最も下にあるため、「前面オブジェクトで型抜き」は他の2つの図形で切り抜かれた形になっています。
すべてを分割
分かりやすいように、3つの図形の色をなくして、境界線だけにしました。

3つの図形をすべて選択した状態で「シェイプを結合」のところを押します。
今回は、一番下にある「すべてを分割」を利用しましょう。

そして、図形を選択した状態で「グループを解除する」を押します。(下の図を参照。)

このようにすると3つの図形のそれぞれの重なりで図形を分割することができます。
たとえば、右下のパーツも切り離されているので、右下のパーツだけを動かすこともできます!

他のパーツも切り離されているので、ぜんぶバラバラに操作できます。

「グループを解除」でシェイプを切り離した段階で、それぞれのパーツが別々の図形になったので、それぞれに好きな色を塗ることができます。

このようにすれば、好きなベン図を作って、重なりごとに色分けすることができます。

もちろん、着色してから、各パーツを動かすこともできます。

以上、ベン図を作って、「シェイプを結合」で重なりごとの図形を切り出す方法と、「すべてを分割」で重なりのパーツをすべて切り離す方法を紹介しました。
最後まで、お読みいただき、ありがとうございました!