
三角比の単元のときの注意点リストを書きました。
三角比に関する記号について
2乗の書き方
三角比の2乗(平方)は、通常と書き方が違います。
$\sin A$ の平方のことを $\sin^2 A$ と表記します。$\sin A^2$ とは表記しません。
$$\sin^2 A =( \sin A )^2 = \sin A \times \sin A$$
$\sin$ に2乗を付ける理由は、$\sin A$ を2乗しているのか、$A$ を2乗しているのかを区別するためです。
具体的に見ると、違いがよく分かります。
$\sin^2 25^{\circ} = \sin 25^{\circ} \times \sin 25^{\circ}$ と、
$\sin 25^{\circ} \ {}^2 = \sin 625^{\circ}$ は違います。
シータについて(適当に書かない!)
角度を表す記号でシータ $\theta$ が登場します。
シータ $\theta$ はギリシャ文字です。
アルファ $\alpha$ や ベータ $\beta$ の仲間です。(通常使用している、アルファベットの $a$ や $b$ は、ラテン文字(ローマ字)です。)
ギリシャの文字を利用しています。
変数 $\theta$ の意味(大事!)
三角比(三角関数)の変数である $\theta$ の意味は3通りあります。
鋭角の角度 $\theta$
鋭角とは $0^{\circ} < \theta < 90^{\circ}$ の角度のことです。
$\theta$ が鋭角のときは、対応する直角三角形があるので、三角形の一つの角度を使いやすいです。
$\theta$ ではなく、三角形の角度を表す $A$ を利用することが多いです。
$0 \sim 180$ 度の角度 $\theta$
0度から180度までの角度のときは、対応する直角三角形が考えられないので、三角形の頂点を表す $A$ などは利用できません。
そこで、$A$ などの記号よりも $\theta$ が好まれて使われます。
弧度としての長さ $\theta$
弧度法(円弧の弧長)のときは、$\theta$ は厳密には長さです。
長さの場合は、よく利用する変数である $x$ を変数として使うことも自然です。
だから、数学Ⅱの三角関数の単元では、$\sin \theta$ や $\sin x$ が両方出てきます。