- まとめ
- 表紙
- ①理解
「等差数列」とは
隣り合う数の差がいつも等しい数列のこと。
漸化式
$a_{n+1} - a_n = d$
用語
$d$ を公差という.
A. 一般項
$a_n = a_1 +(n-1)d$
B. 和の公式
$\displaystyle S_n =\frac{1}{2}n \{ 2a+(n-1)d \}$
C. 等差中項の関係
$a$, $b$, $c$ がこの順で等差数列であるとき,
$$2b = a+c$$
ポイント解説
例
$1$, $2$, $3$, $4$, $5$, $\cdots$(自然数)
・漸化式:$a_{n+1} - a_n = 1$
・一般項:$a_n = n$
・和の式:$S_n = \frac{1}{2}n(n+1)$
例
$1$, $3$, $5$, $7$, $9$, $\cdots$(奇数)
・漸化式:$a_{n+1} - a_n = 2$
・一般項:$a_n = 2n-1$
・和の式:$S_n = n^2$
B
数列の初項を $a$, 末項を $\ell$ とると, 数列の和は $S= \frac{1}{2}n(a+l)$ で分かります。$\ell$ を $a_n = a +(n-1)d$ とすればBが得られます。
C
$b-a = c-a$ という「差が等しい」ことと同値です。
★各詳細は今後書いていきます。
等差数列の理解
モチベーション
等差数列の諸々の公式の成り立ちを知りたいな!
- 等差数列の性質(等差中項)
- 等差数列の漸化式
- 等差数列の一般項
- 等差数列の和
等差数列の性質
3つの数字で $a$, $b$, $c$ の隣り同士の差が等しいとき,
$$c - b = b -a$$
と表すことができます。この式は,$2b = a+c$ と同値です。
性質(等差中項).
$a$, $b$, $c$ が等差数列である $\Longleftrightarrow$ $2b = a+c$.
等差数列の漸化式
3つ以上続く数列
$$a_1, \ a_2 , \ a_3, \ , \cdots$$
について隣同士の差が常に等しいことは,$d$ を使って
$$a_{n+1} - a_n = d$$
と表すことができます。(この $d$ を公差とよぶ。)
漸化式.
等差数列 $\{ a_n \}$ とは,任意の $n \geq 1$ について,$a_{n+1} - a_n = d$ を満たす数列である。
等差数列の一般項
さて,等差数列の一般項を数式で表しましょう。
植木算の考え方を使えば,第 $n$ 項 $a_n$ は,初項 $a_1$ に 公差を $(n-1)$ 回加えれば良いので,
$$a_n = a_1 +(n-1)d$$
になります。
もしくは,漸化式の各段階を足し合わせることでも同じ式が導出できます。
$$\begin{array}{rrrrrc}
&a_n & - & a_{n-1} & = & d\\
&a_{n-1} & - & a_{n-2} & = & d \\
& &\vdots & & & \vdots \\
&a_3 & - & a_2 & = & d \\
+\large{)}&a_2& - & a_1 & = & d \\ \hline
& a_n & - & a_1 & = & (n-1)d
\end{array}$$
一般項(等差数列).
$$a_n = a_1 + (n-1)d.$$
等差数列の和の公式
等差数列を初項から最後の項まで足した和を $S$ とします。
初項を $a$,末項を $\ell$ とします。
$$
\begin{array}{rrrcccccc}
& S & = & a_1 &+& a_2 &+ \cdots +& a_{n-1} &+& a_n \\
+\large{)} & S & = & a_n &+& a_{n-1} &+ \cdots +& a_2 &+& a_1 \\
\hline
& 2S & = & a + \ell & a + \ell & + & \cdots & + & a + \ell & a + \ell
\end{array}
$$
この筆算の結果を集計すると,和の公式を得ます。
また,$\ell = a +(n-1)d$ なので, 下の式も成り立ちます。
和の公式(等差数列).
$$S = \frac{1}{2}n(a+l)$$
$$S_n = \frac{1}{2}n \{ 2a+(n-1)d \}$$