外心の位置ベクトルの公式(ベクトル)
ベクトルで外心の位置ベクトルを示す公式を証明してみよう。
外心の位置ベクトルの公式
三角形 $\mathrm{ABC}$ の外心 $\mathrm{O}$ の位置ベクトル $\vec{o}$ は,
次の式で与えられる。
$$
\vec{o}
= \frac{\sin 2A\,\vec{a}
+ \sin 2B\,\vec{b}
+ \sin 2C\,\vec{c}}
{\sin 2A + \sin 2B + \sin 2C}
$$
証明(外心の位置ベクトル)
三角形 $\mathrm{ABC}$ の頂点を
$\mathrm{A}(\vec{a}), \mathrm{B}(\vec{b}), \mathrm{C}(\vec{c})$
とし, 外心を $\mathrm{O}(\vec{o})$ とする。
§外心の幾何学的性質
外心 $\mathrm{O}$ は,
三角形の各頂点から等距離にある点であり,
各辺の垂直二等分線の交点として定まる。
よって,
$$
|\vec{o}-\vec{a}| = |\vec{o}-\vec{b}| = |\vec{o}-\vec{c}|
$$
が成り立つ。
§外心と正弦定理
三角形 $\mathrm{ABC}$ の外接円を考えると,
その半径を $R$ として,
正弦定理より
$$
|\vec{b}-\vec{c}| = 2R\sin A,\quad
|\vec{c}-\vec{a}| = 2R\sin B,\quad
|\vec{a}-\vec{b}| = 2R\sin C
$$
が成り立つ。
また,
外心 $\mathrm{O}$ は外接円の中心であるから,
各頂点と外心を結ぶベクトルのなす角は,
対応する角の 2 倍となる。
§ベクトルの一次結合による表現
点 $\mathrm{O}$ を,
点 $\mathrm{A}, \mathrm{B}, \mathrm{C}$ の位置ベクトルの一次結合
$$
\vec{o} = x\vec{a} + y\vec{b} + z\vec{c}
$$
と表す。
平面内の点であるから,
係数は
$$
x + y + z = 1
$$
を満たす。
§係数の決定
外心においては,
各辺に対する寄与が,
それぞれ対向角の大きさに応じて対称に現れる。
正弦定理と
$\sin 2A = 2\sin A \cos A$
を用いると,
各頂点に対応する係数は
$$
x : y : z = \sin 2A : \sin 2B : \sin 2C
$$
となる。
これを
$x+y+z=1$
で正規化すると,
$$
\begin{aligned}
x &= \frac{\sin 2A}{\sin 2A + \sin 2B + \sin 2C},\\
y &= \frac{\sin 2B}{\sin 2A + \sin 2B + \sin 2C},\\
z &= \frac{\sin 2C}{\sin 2A + \sin 2B + \sin 2C}
\end{aligned}
$$
を得る。
§結論
ゆえに,
外心 $\mathrm{O}$ の位置ベクトルは
$$
\vec{o}
= \frac{\sin 2A\,\vec{a}
+ \sin 2B\,\vec{b}
+ \sin 2C\,\vec{c}}
{\sin 2A + \sin 2B + \sin 2C}
$$
と表されることが分かった。

