垂心の位置ベクトルの公式(ベクトル)
ベクトルで垂心の位置ベクトルを示す公式を証明してみよう。
垂心(垂心の位置ベクトル)
三角形 $\mathrm{ABC}$ の頂点を
$\mathrm{A}(\vec{a}), \mathrm{B}(\vec{b}), \mathrm{C}(\vec{c})$
とし,
垂心を $\mathrm{H}(\vec{h})$ とするとき,
$$
\vec{h} = \vec{a} + \vec{b} + \vec{c} - 2\vec{o}
$$
が成り立つ.
ただし, $\vec{o}$ は外心 $\mathrm{O}$ の位置ベクトルである.
証明(垂心の位置ベクトル)
三角形 $\mathrm{ABC}$ の頂点を
$\mathrm{A}(\vec{a}), \mathrm{B}(\vec{b}), \mathrm{C}(\vec{c})$
とし,
外心を $\mathrm{O}(\vec{o})$,
垂心を $\mathrm{H}(\vec{h})$ とする.
§外心を原点に取る
外心 $\mathrm{O}$ を原点とする座標系を考え,
次のように定める.
$$
\vec{a}'=\vec{a}-\vec{o},\quad
\vec{b}'=\vec{b}-\vec{o},\quad
\vec{c}'=\vec{c}-\vec{o}
$$
外心は各頂点から等距離にあるため,
$$
|\vec{a}'|=|\vec{b}'|=|\vec{c}'|
$$
が成り立つ.
§垂心の直交条件
垂心 $\mathrm{H}$ は,
各頂点から対辺に下ろした垂線の交点である.
よって,
点 $\mathrm{A}$ からの高さについて,
$$
\overrightarrow{\mathrm{AH}}
\perp
\overrightarrow{\mathrm{BC}}
$$
が成り立つ.
これはベクトルで
$$
(\vec{h}'-\vec{a}')\cdot(\vec{b}'-\vec{c}')=0
$$
と表される.
他の頂点についても同様である.
§垂心ベクトルの決定
ここで,
$$
\vec{h}'=\vec{a}'+\vec{b}'+\vec{c}'
$$
とおく.
このとき,
$$
\vec{h}'-\vec{a}'=\vec{b}'+\vec{c}'
$$
であるから,
$$
(\vec{h}'-\vec{a}')\cdot(\vec{b}'-\vec{c}')
=(\vec{b}'+\vec{c}')\cdot(\vec{b}'-\vec{c}')
$$
となる.
右辺を計算すると,
$$
|\vec{b}'|^2-|\vec{c}'|^2=0
$$
であり,
直交条件を満たすことが分かる.
他の頂点についても同様に成り立つため,
この $\vec{h}'$ は垂心を表す.
§元の位置ベクトルへの変換
$\vec{h}'=\vec{h}-\vec{o}$ であるから,
$$
\vec{h}-\vec{o}
=(\vec{a}-\vec{o})+(\vec{b}-\vec{o})+(\vec{c}-\vec{o})
$$
が成り立つ.
これを整理すると,
$$
\vec{h}
=\vec{a}+\vec{b}+\vec{c}-2\vec{o}
$$
を得る.
§結論
ゆえに,
三角形 $\mathrm{ABC}$ の垂心 $\mathrm{H}$ の位置ベクトルは
$$
\vec{h}=\vec{a}+\vec{b}+\vec{c}-2\vec{o}
$$
と表されることが分かった.

