同時確率分布(離散型)の定義

定義(同時確率分布)

起こりうる事象が $\{ w_{11}, w_{12}, \cdots, w_{mn}\}$ とする. $1 \leqq i \leqq m$, $1 \leqq j \leqq n$ について, $w_{ij}$ の起こる確率が $p_{ij}$ として, $\displaystyle \sum_{i=1}^m \sum_{j=1}^n p_{ij} = 1$ を満たすとする.

$w_{ij}$ に対して, 2つの値 $x_i$ と $y_j$ を定める. このときの変数を $Z$ とする. 以上を, $P(Z=(x_i, y_j)) = p_{ij}$ と表す.

$Z$$y_1$$\cdots$$y_n$
$x_1$$p_{11}$$\cdots$$p_{1n}$$p_1$
$\vdots$$\vdots$$\ddots$$\vdots$$\vdots$
$x_m$$p_{m1}$$\cdots$$p_{mn}$$p_m$
$q_1$$\cdots$$q_n$$1$

このように定義される確率分布を同時確率分布という.

硬貨を2枚投げる同時確率分布は次の通り。

硬貨が表ならば $1$, 裏ならば $0$ とする。1枚目の結果を $X$, 2枚目の結果を $Y$ とする。

$(X,Y)$$0$$1$
$0$$\frac{1}{4}$$\frac{1}{4}$$\frac{1}{2}$
$1$$\frac{1}{4}$$\frac{1}{4}$$\frac{1}{2}$
$\frac{1}{2}$$\frac{1}{2}$$1$

$\displaystyle p_i = \sum_{j=1}^n p_{ij}$ とすると確率変数 $X$ は $P(X=x_i)=p_i$ を満たす確率分布に従う.

$\displaystyle q_j = \sum_{i=1}^m p_{ij}$ とすると確率変数 $Y$ は $P(Y=y_j)=q_j$ を満たす確率分布に従う.

したがって, $P(X=x_j, Y=y_j)=p_{ij}$ と表記できる.

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