$V[X+Y]=V[X]+V[Y]$(独立な確率変数)

独立である確率変数 $X$ と $Y$ の和の分散 $V[X+Y]$ を計算する公式を証明してみよう。

公式

独立な確率変数 $X$ と $Y$ について,

$V[X+Y]=V[X] + V[Y]$

が成り立つ.

証明.

分散を求める公式

$V[X+Y]$ $=E[(X+Y)^2] - E[X+Y]^2$

から出発して計算していく.

確率変数の和の期待値について

$A$ と $B$ を確率変数とすると,

$E[A+B]$ $=E[A] + E[B]$.

を利用して以下のように計算する.

$\begin{aligned}
& V[X + Y] \\
&= E[(X+Y)^2] - E[X+Y]^2 \\
&= E[X^2+2XY+Y^2] - (E[X]+E[Y])^2 \\
&= E[X^2]+2E[XY]+[Y^2] \\
& \phantom{aaa} -(E[X]^2+2E[X]E[Y]+E[Y]^2) \\
&= (E[X^2]-E[X]^2) + (E[Y^2]-E[Y]^2) \\
& \phantom{aaa}+ 2(E[XY] - E[X]E[Y]) \\
\end{aligned}$

ここで, 確率変数 $X$ と $Y$ が独立であることから確率変数の積の期待値の性質で $E[XY]=E[X]E[Y]$ が成り立つので, $2(E[XY] - E[X]E[Y])=0$ である.

分散の公式から

$E[X^2]-E[X]^2=V[X]$,

$E[Y^2]-E[Y]^2=V[Y]$.

ゆえに, 確率変数$X$ と$Y$ が独立であれば, $V[X+Y]=V[X] + E[Y]$ が成り立つ.

$V[X] = 2$ かつ $V[Y]=3$ であって, 確率変数 $X$ と $Y$ が独立であれば,

$V[X+Y]$ $=V[X]+V[Y]$ $=3+2$ $=5$

になる。

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