$(x+y+z)^n$ の展開の計算
$(x+y+z)^n$ の展開の式を理解してみよう。
展開式の各項の係数
$(x+y+z)^n$ の展開式において, $x^py^qz^r$ の係数は $\displaystyle \frac{n!}{p!q!r!}$ である.
ただし, $p, q, r$ は $0 \leqq p, q, r \leqq n$ と $p+q+r=n$ を満たす整数である.
式の展開公式
$(x+y+z)^n$ $\displaystyle =\sum_{\substack{p,q,r \geq 0 \\ p+q+r=n}} \frac{n!}{p!q!r!} x^py^qz^r$
証明.
$(x+y+z)^n = (x+y+z) \cdot \cdots \cdot (x+y+z)$ を展開すると $x^py^qz^r$ は $\displaystyle \frac{n!}{p!q!r!}$ 個存在する.
なぜならば, $n$ 個の $(x+y+z)$ の積において, $x$ を $p$ 回, $y$ を $q$ 回, $z$ を $r$ 回選んでかける組合せの総数と等しいからである.
また, $p, q, r$ は $0 \leqq p, q, r \leqq n$ と $p+q+r=n$ を満たす整数とすると, 展開式に現れる単項式は $x^py^qz^r$ の形のみある.
ゆえに,
$(x+y+z)^n$ $\displaystyle =\sum_{\substack{p,q,r \geq 0 \\ p+q+r=n}} \frac{n!}{p!q!r!} x^py^qz^r$
が成立する.
例えば,
$(x+y+z)^3$
$= x^3$ $+y^3$ $+z^3$ $+\frac{3!}{2!}x^2y$ $+\frac{3!}{2!}x^2z$ $+\frac{3!}{2!} xy^2$ $+\frac{3!}{2!}zy^2$ $+\frac{3!}{2!}xz^2$ $+\frac{3!}{2!}y^2z$ $+ \frac{3!}{1!1!1!}xyz$
$= x^3$ $+y^3$ $+z^3$ $+3x^2y$ $+3x^2z$ $+3 xy^2$ $+3zy^2$ $+3xz^2$ $+3y^2z$ $+ 6xyz$
です。