指数法則の計算は、掛け算が足し算になったり、マイナスが分数になったり、ルートの前に小さい数字がくっついたりします。
計算が得意な人にとっては何一つ難しくない単元ですが、計算恐怖症の人には頭が混乱する単元の一つであると思います。
やさしく丁寧に教えることも大切ですが、楽しくちゃちゃっと教えてしまうことができると嬉しいですよね。今回は、これを実現する方法のアイデアを紹介します。
この記事では、ビンゴを教材として指数法則を教えるわけではなく、ビンゴをしながら指数法則を教える指導の方法を伝えます。
指数の計算に関係なくビンゴゲームとは
ビンゴとは言わずとも知れたゲームですね。中世のイタリアが発祥のようです。数学者のカルダノさんも遊び(賭け事)でやっていはったのですかね(←関西弁w)
ビンゴゲームの本来の遊び方は、おおよそ次の手順です。
- 1 から25 までの数字がランダムに書かれているビンゴカードを受け取る。(真ん中がFreeとなっているビンゴカードもある。)
- 1 から 25 までの数字のどれかが順番に言われるので、言われた数字を自分のカードでチェックする。
- 数字へのチェックが「タテ」か「ヨコ」か「ナナメ」の5つ連続で並べば勝ちです。「ビンゴ!」と発言して勝ち抜けます。
- なお、ビンゴになる直前、数字が4つ並んだときには、「リーチ」と言わなければいけない、というルールもあります。このリーチを言わずにビンゴと言っても無効となる、という制度です。
このビンゴゲームの手順に沿って、指数法則の計算を練習させます。
指数法則で計算ビンゴゲームの方法
この記事は、指数法則をビンゴゲームを通して練習させる授業を実現するものです。
まず、私が、授業で生徒に配布したビンゴカードを提示します。次の画像をご覧ください。
ビンゴカードの真ん中に、「 Free! 」と書かれていますが、書かないバージョンでもできます。
このビンゴカードを用いて授業中に行う指導手順ことは、次の通りです。
- 生徒に $a^m b^n$( $m=0 \sim 4$, $n=0 \sim 4$ )の単項式をビンゴカードの各マスに書かせます。
- 教員が、該当の単項式もしくは、答えが該当の単項式となる計算式をランダムに板書します。
- 生徒は、計算をすることも含め、該当するマスにチェックをしていきます。
- これを繰り返し、リーチ、そしてビンゴとなるまでゲームをします。
ビンゴゲームの終了は、勝ち抜け一人でゲームを終了するのか、三人くらいまで勝ち抜けを認めるのかは、あなた次第です。勝ち抜け賞品として、お菓子を買っておくか否かも、あなた次第です。
指数法則の計算の問題で頻出の単項式
生徒にビンゴカードに記載させる単項式を念のため、列挙しておきます。他の単項式の羅列でも良いですが、今回提示する単項式が最も分かりやすいと思います。
$1$ | $b$ | $b^2$ | $b^3$ | $b^4$ |
$a$ | $ab$ | $ab^2$ | $ab^3$ | $ab^4$ |
$a^2$ | $a^2b$ | $a^2 b^2$ | $a^2 b^3$ | $a^2 b^4$ |
$a^3$ | $a^3 b$ | $a^3 b^2$ | $a^3 b^3$ | $a^3 b^4$ |
$a^4$ | $a^4 b$ | $a^4 b^2$ | $a^4 b^3$ | $a^4 b^4$ |
ビンゴカードに「 Free! 」を入れるならば、$a^0 b^0 = 1$ 以外の24個でビンゴゲームをするのが良いかと思います。「 Free! 」を入れずに、25マスのビンゴカードでするのならば、$1$ もビンゴカードに書かせましょう。
これらを、生徒それぞれの好きな順番で各自のビンゴカードに記載させます。
すべての生徒がビンゴカードの全てのマスに単項式を書くことができたら、次のステップへ進みましょう。(同じ単項式を2マス以上に書くことは禁止することを伝えておくとスムーズかもしれません。)
指数法則の計算の問題の出題で遊ぶ
指数法則の計算練習を、生徒個人に何度も何度も反復させると(心の中で)悲鳴をあげる子もいると思います。ビンゴゲームを進めるために、みんなで楽しく計算しましょう!
ビンゴゲームの進め方は教員が、各単項式を言っていくだけです。ここでは、述べていく単項式を例示して説明いたします。以下、具体的な出題例です。
- $a^3 b^2$
- $a^2 b$
- $a^2 b \times a b^2$
- $(a b^2)^2$
- $a^5 b^4 \div a^4 b^2 $
- $a^3 b \times a^{-2} b^2$
- 続いていく $\cdots$
このビンゴゲームをするときに「習得させたい計算」を含む数式を伝えることで遊んであげてください。
①②のように、まずは、何の計算もせずに、そのまま単項式を伝え、ビンゴゲームの方法を生徒と共有してください。
③を伝えた瞬間に、生徒は、このゲームの意義を察知します。計算をした上で該当する単項式( $a^3 b^3$ )にチェックすることを行います。
④以降で、適切な(練習させたい)数式を順番に伝えていきます。クラスには、すぐに計算できる生徒、計算が分からない生徒がいると思います。大切なことは、数式を一つ伝えた後に、一度立ち止まり生徒全員が方法を理解させてから、次の数式を発表することです。
数式の解法の理解を共有・促進するために、解法を教員が説明しても良いですし、生徒同士で相談させても良いと思います。また、計算ができた生徒に皆の前で板書で説明させても良いと思います。
実は、前で説明することが苦手な生徒も積極的に前に出て説明してくれます。この理由は、早くビンゴゲームを進めたいからです。早く、次のチェックをしたいからです。クラス全員が計算方法を理解すれば次の数式を伝えると言っておけば、嫌でも前に出た方が自分のためになる訳ですね。このためには、やはり、ビンゴゲームを楽しくできるように演出しておくことが最重要かと思います。
この計算式を授業中に考えることは難儀ですので、授業前にあらかじめ考えておく必要があります。一度言った単項式とは異なる答えになって、かつ計算式を次第に難しいものにしていくことは私の思考は追いつきません。
指数法則の計算練習を楽しくビンゴゲーム(まとめ)
折に触れて、指数法則の計算の(ビンゴゲームを通して行うときの)出題例を、こちらにも記載したいと考えております。
24題(25題)の問題を、実は、真面目に用意したことはありません。このビンゴゲームを2〜3回行いましたが、実は、授業中に計算式を考えてばかりでした。なかなか、もちゃもちゃしながら授業を進めています。
出題例に代えさせてもらって、この記事をまとめます。
このビンゴゲームでの計算練習指導は、他の項目にも応用可能であることは、すぐに分かって頂けると思います。答えとして、24個もしくは25個の解答がある程度きれいに提示できる計算の指導の際に是非ご利用ください。
この記事は、ビンゴゲームで指数法則の計算を楽しく練習させる方法を伝えました。小学校の先生は、ビンゴゲームを通して、今回のように計算指導されている方も多いです。今回は、この方法を高校バージョンとしてお伝えしました。
とにかく盛り上がるようにやって貰えると私も嬉しいです!
ここまで、お読みいただき、ありがとうございます。