
複素数の存在がよく分からない、と疑問を持つ方がいらっしゃいます。このブログは、こういった疑問に解答していくための連載ブログです!今回は、次のお悩みを解決します!
- 複素数は、実数 $a, b$ を用いて、$a+bi$ と表されるけど、そもそも、この形って何なのよ?
疑問に思われたことのない方もいると思います。しかし、数学は細かい部分でも疑問に感じ、しっかりと考え抜いた先に、理解が深まる学問です。
授業で、$a+bi$ を鵜呑みにしても問題はありませんが、これは解の公式の形であると認識すれば非常に合理的に捉えることができますので、この点を解説致します。
今回は、複素数の計算については、述べていません。複素数が $a + bi$( $a$ と $b$ が実数)の形で記述されることの合理的な解釈を述べます。
学校の授業で、ほとんど触れられない部分の解説を丁寧に述べます。
虚数との存在の前提条件の整理
ここまでで分かっていることを整理します。
- 虚数単位 $i$ は方程式 $x^2 = -1$ の解(という存在)で、$i=\sqrt{-1}$ である。
- 実数 $a>0$ について、$i$ の定数倍 $ai$ は、方程式 $x^2 = -a^2$ の解と考えられる。
- 実数$a$ について、$a \times i = ai$という計算式が考えられる。
以上については、下のサイトで詳しく解説をしています。
- $i$ が数としての四則演算ができるかは全く分かりません。
- $i$ の大小関係は全く分かりません。正の数なのか、負の数なのかも分かりません。
- $i$ が現実世界に存在するのかも分かりません。
まだ、分からないこと尽くしの状態です。
複素数の形が解の公式である理解の仕方
今は、$x^2 = -a$ の解を 虚数単位 $i$ を用いて表現することまでできました。できることならば、一般的な式の $ax^2 + bx + c =0$ の解も $i$ と(新しい規則の)ルートだけを利用して表したいですよね。
解の公式は、$x = \frac{-b \ \pm \ \sqrt{D}}{2a}$ という形をしています。ここで、$D$ は判別式で $b^2 - 4ac$ のことです。
判別式 $D$ が負の数だと実数解は存在しません。
そこで、$D = -\alpha^2 \ (\alpha>0)$ と置いてみます。

計算してみましょう!
$x = \frac{-b \pm \sqrt{-\alpha^2}}{2a} $ $= \frac{-b}{2a} \pm \frac{\alpha i }{2a}$ $= \frac{-b}{2a} \pm \frac{\alpha}{2a} \times i$
と変形できます!この式を
- $A= \frac{-b}{2a}$
- $B=\frac{\alpha}{2a}$
と置くと、 $x = A \pm Bi$ という形が登場します!
この式こそが、複素数の一般形 $a + bi$ が解の公式と同様である、という理由です!
解の公式と複素数の形の関連と、残っている課題
この足し算(実数と、虚数単位の定数倍、の足し算)に、何の意味があるのかは分かりません。まだ、何も和の計算を確かめていません。この計算に関しては、次回以降の記事で詳細を確かめます。
今回の記事は、ここまでです。複素数の一般形 $a+bi$ が解の公式の形そのままであること、虚数が方程式の解であることから産まれていることを深く認識していただけると幸いです。
この理解をしていき、複素数の計算を自分の手で構築しているという実感が湧いてくれると嬉しいです。
今後は、複素数の足し算や、掛け算などの計算方法をちゃんと決めて(見つけて)、矛盾が生じないことも確かめていきましょう。これによって、虚数(複素数)の存在を認めていきましょう!
ここまで、お読みいただきありがとうございます。