メルカトル図法について

メルカトル図法とは

メルカトル図法の地図は,経線と緯線に対する角度が正確な地図です。

主に航海で利用されます。

〈メリット〉

  • 経線はそれぞれ等間隔かつ平行に描かれる
  • 緯線もそれぞれ平行に表現される
  • 地図上の2点を結んだ線が等角航路となる(進行方向が分かりやすい)

等角航路とは,経線に対して一定の角度を保って進行する経路です。

〈デメリット〉

  • 地図上の直線だと最短距離より遠回りになる
  • 地球上で高緯度の距離や面積について,地図上では拡大されて描かれる

メルカトル図法の今昔

歴史のはじまり

海図・航路用地図として使われてきた。

1511年

天文学者エアハルト・エッツラウプ(🇩🇪)が作成した地図には,すでに仕組みはあった。

1569年

地理学者ゲラルドゥス・メルカトル(🇧🇪)がドイツで発表した地図にこの投影法があった。

1821年

伊能忠敬(🇯🇵)が,大日本沿海輿地全図を完成させた。

現在

ユニバーサル横メルカトル図法が国際的に利用されている。

日本では国土地理院が発行する地図に利用されている。

現在

Google Mapsにメルカトル図法が利用されている。

今を生きる

なぜ,Google Mapsは,メルカトル図法を採用したのかな?

メルカトル図法の仕組み

地球の立体座標

経度を $u$ (rad),緯度を $v$ (rad)として,地球の半径を $R$ (km)とします。

このとき,地球上の地点の座標は,$R(\cos u \cos v, \ \sin u \cos v, \ \sin v)$ で表せます。

ただし,$-\pi < u < \pi$ ,$-\pi/2 < v < \pi/2$ です。

逆グーデルマン関数

メルカトル図法の地図を作るための,用意をします。

逆ハイパボリックサイン(arsinh)関数とタンジェント(tan)関数を用意します。

逆ハイパボリックサイン

area hyberbolic sine

$\mathrm{arsinh}(x)=\log(x+\sqrt{x^2+1})$

$\mathrm{arsinh}(x)$は,逆双曲線関数の一つ。双曲線関数 $\sinh(x)$ の逆関数である。

タンジェント

tangent

$\tan(x) = \sin(x)/\cos(x)$

高校で習う三角関数の $\tan(x)$ のこと。

これらを合成すると,逆グーデルマン関数 $\mathrm{gd}^{-1}$ が定義できます。

$$\mathrm{gd}^{-1}(x) = \mathrm{arsinh}(\tan(x)) = \log(\tan(x)+\sqrt{\tan(x)^2+1})$$

この関数の定義域は,$ x \in ( -\pi/2, \ \pi/2)$ です。

逆グーデルマン関数

inverse Gudermannian function

$\mathrm{gd}^{-1}(x)=\mathrm{arsinh}\circ \tan(x)$

この関数を利用して,緯度と経度から地図を作ります!

メルカトル図法の数学

地図の作り方は,地球上の経度 $u$ と緯度 $v$ の地点を $xy$座標平面の $(u, \mathrm{gd}^{-1}(v))$ の点として書き込むだけです。

Excercise

  • 経線はそれぞれ等間隔かつ平行に描かれる
  • 緯線もそれぞれ平行に表現される

このような構成で地図を作成すると不思議なことに,地図上でまっすぐ進むことで地球上で同じ方角に進むことができる地図が完成します!

参考文献

メルカトル図法について;
グーデルマン関数について;
たくさんの人々について;
伊能忠敬について;

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