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【理解】数列の和の数学的解説

数列の和の記号(シグマ公式)について

「数列の和」とは

ある規則で並んだ数を足し合わせること。

<記号>数列の和

$\displaystyle \sum_{k=1}^n a_k := a_1 + a_2 + \cdots + a_n$

証明はこちら
定義(数列の和の記号)

数列 $\{a_n\}_n$ について, $$\displaystyle \sum_{k=1}^na_k := a_1 + a_2 + \cdots + a_n$$ と定める。 $\displaystyle \sum_{k=p}^q a_k$ は, 数列 $\{a_n\}$ の第 $p$ 項から第 $q$ 項までの和を意味する。

たとえば, $a_n=3n-2$ ならば, $\displaystyle \sum_{k=2}^5a_k$ $= a_2$ $+ a_3$ $+a_4$ $+ a_5$ $=4$ $+7$ $+10$ $+13$ $= 34$ となります。

<公式>数列の和の線形性

$\displaystyle \sum_{k=1}^n (pa_k + qb_k) = p\sum_{k=1}^na_k + q \sum_{k=1}^n b_k$

証明はこちら
数列の和の記号 $\displaystyle \sum_{k=1}^n$ に関する線形性を証明してみよう。
命題(数列の和の線形性)

数列 $\{a_n\}$ と $\{b_n\}$, 定数 $p$ と $q$ について, $$\displaystyle \sum_{k=1}^n(pa_k + qb_k) = p \sum_{k=1}^n a_k + q \sum_{k=1}^n b_k$$ が成り立つ。

§定義に従った展開

$\displaystyle \sum_{k=1}^n(pa_k + qb_k)$ は $(pa_1 + qb_1)$ $+(pa_2 + qb_2)$ $+\cdots$ $+(pa_n + qb_n)$ である。

§項の並び替え

この式は $p(a_1+\cdots + a_n)$ $+q(b_1+\cdots+b_n)$ と並び替えることができる.

§結論

括弧内の和を再び $\sum$ 記号を用いて表すと: $$\sum_{k=1}^n (pa_k + qb_k) = p \sum_{k=1}^n a_k + q \sum_{k=1}^n b_k$$ となり, 等式は証明された。

$a_n=2n-1$, $b_n=2n$ のとき, $$\displaystyle \sum_{k=1}^3(a_k+b_k)=(1+2)+(3+4)+(5+6)$$ であり, $$\displaystyle \sum_{k=1}^3a_k + \sum_{k=1}^3b_k=(1+3+5)+(2+4+6)$$ である。

<記号>定数列の和

$\displaystyle \sum_{k=1}^n c =cn$

証明はこちら
定数 $c$ の和 $\displaystyle \sum_{k=1}^n c = c+c+\cdots +c$ が $nc$ であることを証明してみよう。
公式(定数列の和)

$c$ を定数とする. このとき, $$\displaystyle \sum_{k=1}^n c = nc$$ である。

定数列 $a_k = c$ の和を考える。

§定義による展開

項を書き並べると次のようになる。 $$ \begin{aligned} \sum_{k=1}^n c &= \underbrace{c + c + c + \cdots + c}_{n \text{ 個}} \end{aligned} $$

§計算と結論

右辺は「値 $c$ を $n$ 回足し合わせる」ことを意味するので, $c \times n$ である。 ゆえに、次の等式が成り立つ。 $$ \sum_{k=1}^n c = nc $$

たとえば, $c=5$ のとき,

$\displaystyle \sum_{k=1}^35$ $=5+5+5$

で, $3 \times 5$ と等しいです。

<公式> 数列の和①

$\displaystyle \sum_{k=1}^n k =\frac{1}{2}n(n+1)$

数学的帰納法による証明はこちら
自然数の和 $\displaystyle 1+2+\cdots +n$ が $\displaystyle \frac{1}{2}n(n+1)$ であることを数学的帰納法で証明してみよう。
公式(自然数の和)

$1$ から $n$ までの自然数の総和は, 次の式で表される。 $$ \sum_{k=1}^n k= \frac{1}{2}n(n+1) $$

数学的帰納法による等式の証明

すべての自然数 $n$ について, 次の等式が成り立つことを証明する。 $$ \sum_{k=1}^n k = \frac{1}{2}n(n+1) \quad \cdots (\text{*}) $$

§$n=1$ のとき

左辺は $1$, 右辺は $\frac{1}{2}\cdot 1 \cdot (1+1) = 1$ である。
ゆえに, $n=1$ のとき等式(*)は成り立つ。

§$n=\ell$ のときを仮定

$n=\ell \geqq 1$ のとき, 等式(*)が成り立つと仮定する。すなわち, $$ \sum_{k=1}^{\ell} k = \frac{1}{2}\ell(\ell+1) $$ が成り立つと仮定する。

§$n=\ell+1$ のときの計算

$n=\ell+1$ のとき, (*)の左辺を計算すると: $$ \begin{aligned} \sum_{k=1}^{\ell+1} k &= (1 + 2 + \cdots + \ell) + (\ell + 1) \\ &= \frac{1}{2}\ell(\ell+1) + (\ell+1) \\ &= \frac{1}{2}(\ell+1)(\ell + 2) \\ &= \frac{1}{2}(\ell+1)\{(\ell+1)+1\} \end{aligned} $$ となり, $n=\ell+1$ のときの(*)の右辺に一致する。

§結論

$n=\ell$ のときに等式(*)が成り立つと仮定すると $n=\ell+1$ のときも成り立つことが示された。
ゆえに, 数学的帰納法により, すべての自然数 $n$ について $$ \sum_{k=1}^n k = \frac{1}{2}n(n+1) $$ は成り立つ。

例えば, $n=3$ のとき, 等式(*)の右辺は $$\displaystyle \frac{1}{2}\times 3 \times 4$$ です。 この式に $4$ を加えて観察します。 $4$ を $\displaystyle \frac{1}{2} \times 4 \times 2$ と変形して足すと, $\displaystyle \frac{1}{2} \cdot 4 \cdot (3+2)$ となります。 すなわち, $$\displaystyle \frac{1}{2} \cdot 4 \cdot 5$$ とできます。 これは 等式(*)の $n=4$ のときの右式と一致します。
$(x+1)^2 - x^2$ による証明はこちら
$\displaystyle 1+2+\cdots +n$ が $\displaystyle \frac{1}{2}n(n+1)$ であることを二項定理を使って証明してみよう。
公式(数列 $\{n\}$の和)

数列 $\{n\}$ の和について, $$ \sum_{k=1}^n k = \frac{1}{2}n(n+1) $$ が成り立つ。

恒等式を利用した証明

展開式 $(x+1)^2 = x^2 + 2x + 1$ を変形した次の恒等式を利用する。 $$ (x+1)^2 - x^2 = 2x + 1 $$

Step 1左辺の和の計算(消去法)

左辺について $x=1$ から $n$ までの和をとると, $$ \begin{aligned} &\sum_{x=1}^n \{(x+1)^2 - x^2\} \\ &\quad = (2^2 - 1^2) + (3^2 - 2^2) \\ &\quad \phantom{aaaaa} + \cdots + \{(n+1)^2 - n^2\} \\ &\quad = (n+1)^2 - 1^2 \\ &\quad = n^2 + 2n \quad \cdots ① \end{aligned} $$

Step 2右辺の和の計算(線形性)

右辺について $x=1$ から $n$ までの和をとると: $$ \begin{aligned} \sum_{x=1}^n (2x + 1) &= 2\sum_{x=1}^n x + \sum_{x=1}^n 1 \\ &= 2\sum_{x=1}^n x + n \quad \cdots ② \end{aligned} $$

Step 3式の整理と結論

①と②は等しいため: $$ \begin{aligned} 2\sum_{x=1}^n x + n &= n^2 + 2n \\ 2\sum_{x=1}^n x &= n^2 + n \\ \sum_{x=1}^n x &= \frac{1}{2}n(n+1) \end{aligned} $$ となり, 公式が導かれた。

たとえば, $n=3$ のとき,

① $1+2+3$

② $\displaystyle \frac{1}{2}\times 3 \times 4$

が公式の両辺であり, お互いに等しくなっています。

<公式>数列の和②

$\displaystyle \sum_{k=1}^n k^2 =\frac{1}{6}n(n+1)(2n+1)$

数学的帰納法による証明はこちら
$1^2+2^2+\cdots +n^2$ が $\displaystyle \frac{1}{6}n(n+1)(2n+1)$ であることを数学的帰納法で証明してみよう。
公式(自然数の2乗の和)

$1$ から $n$ までの自然数の2乗の和は, 次の式で表される。 $$ \sum_{k=1}^n k^2 = \frac{1}{6}n(n+1)(2n+1) $$

証明のイメージ
$$\begin{aligned} &\frac{1}{6} n (n+1)(2n+1) + (n+1)^2 \\ & = \frac{n+1}{6}\{n(2n+1) + 6(n+1)\} \\ & = \frac{n+1}{6}\{2n^2 + 7n +6 \} \\ & = \frac{n+1}{6}(n+2)(2n+3) \\ & = \frac{1}{6}(n+1)(n+2)(2(n+1)+1) \end{aligned}$$
数学的帰納法による等式の証明

任意の自然数 $n$ について, 次の等式が成り立つことを証明する。 $$ \sum_{k=1}^n k^2 = \frac{1}{6}n(n+1)(2n+1) \quad \cdots (\text{*}) $$

§$n=1$ のとき

左辺は $1^2=1$, 右辺は $\frac{1}{6}\cdot 1 \cdot (1+1)(2\cdot 1 + 1) = 1$ である。
ゆえに, $n=1$ のとき等式(*)は成り立つ。

§$n=\ell$ のときに等式(*)を仮定

$n=\ell \geqq 1$ のとき, 等式(*)が成り立つと仮定する。すなわち, $$ \sum_{k=1}^{\ell} k^2 = \frac{1}{6}\ell(\ell+1)(2\ell+1) $$ が成り立つと仮定する。

§$n=\ell+1$ のときの計算

$n=\ell+1$ のとき, (*)の左辺を計算する: $$ \begin{aligned} \sum_{k=1}^{\ell+1} k^2 &= 1^2 + \cdots + \ell^2 + (\ell + 1)^2 \\ &= \frac{1}{6} \ell (\ell + 1)(2\ell + 1) + (\ell + 1)^2 \\ &= \frac{\ell+1}{6} \{ \ell(2\ell+1) + 6(\ell+1) \} \\ &= \frac{\ell+1}{6} ( 2\ell^2 + 7\ell + 6 ) \\ &= \frac{\ell+1}{6} (\ell+2)(2\ell+3) \\ &= \frac{1}{6} (\ell+1)(\ell+2) \{ 2(\ell+1)+1 \} \end{aligned} $$ この式は $n=\ell + 1$ のときの等式(*)の右辺に一致する。

§結論

$n=\ell$ のとき等式(*)が成り立つと仮定すると, $n=\ell+1$ のときも成り立つことが示された。
数学的帰納法により, すべての自然数 $n$ について $$ \sum_{k=1}^n k^2 = \frac{1}{6}n(n+1)(2n+1) $$ は正しい。

<公式>数列の和③

$\displaystyle \sum_{k=1}^n k^3 =\left\{ \frac{1}{2}n(n+1)\right\}^2$

数学的帰納法による証明はこちら
$\displaystyle 1^3+2^3+\cdots +n^3$ が $\displaystyle \left\{ \frac{1}{2}n(n+1) \right\}^2$ であることを数学的帰納法で証明してみよう。
公式(自然数の3乗の和)

$1$ から $n$ までの自然数の3乗の和は, 次の式で表される。 $$ \sum_{k=1}^n k^3 = \left\{ \frac{1}{2}n(n+1) \right\}^2 $$

数学的帰納法による等式の証明

自然数 $n$ に関する次の式を証明する。 $$ \sum_{k=1}^n k^3 = \left\{ \frac{1}{2}n(n+1) \right\}^2 $$ この式を(*)とする。

§$n=1$ のとき

左辺は $1^3=1$, 右辺は $\left\{ \frac{1}{2}\cdot 1 \cdot (1+1) \right\}^2=1$ である。
ゆえに, $n=1$ のとき等式(*)は成り立つ。

§$n=\ell$ のときに等式(*)を仮定

$n=\ell \geqq 1$ のとき, 等式(*)が成り立つと仮定する。すなわち, $$ \sum_{k=1}^{\ell} k^3 = \left\{ \frac{1}{2}\ell(\ell+1) \right\}^2 $$ と仮定する。

§$n=\ell+1$ のときに計算

$n=\ell+1$ のとき, (*)の左辺を計算する: $$ \begin{aligned} &\sum_{k=1}^{\ell+1} k^3 \\ &= 1^3 + \cdots + \ell^3 + (\ell + 1)^3 \\ &= \left\{ \frac{1}{2}\ell(\ell+1) \right\}^2 + (\ell+1)^3 \\ &= \frac{1}{4}(\ell+1)^2 \left\{ \ell^2 + 4(\ell+1) \right\} \\ &= \frac{1}{4}(\ell+1)^2 (\ell^2 + 4\ell + 4) \\ &= \frac{1}{4}(\ell+1)^2 (\ell+2)^2 \\ &= \left\{ \frac{1}{2}(\ell+1)((\ell+1)+1) \right\}^2 \end{aligned} $$ この式は $n=\ell + 1$ のときの等式(*)の右辺に一致する。

§結論

$n=\ell$ のときに等式(*)が成り立つと仮定すると $n=\ell+1$ のときも成り立つことが示された。
ゆえに, 数学的帰納法により, すべての自然数 $n$ について $$ \sum_{k=1}^n k^3=\left\{ \frac{1}{2}n(n+1) \right\}^2 $$ が成り立つ。

<公式>数列の和④

$\displaystyle \sum_{k=1}^n k^4 =\frac{1}{30}n(n+1)(2n+1)(3n^2 + 3n -1)$

$(x+1)^5 - x^5$ による証明はこちら
$\displaystyle \sum_{k=1}^n k^4 = 1^4+2^4+\cdots +n^4$ の公式を二項定理を使って証明してみよう。
公式(数列 $\{n^4\}$ の和)

数列 $\{n^4\}$ の和について, $$\displaystyle \sum_{k=1}^n k^4 = \frac{1}{30}n(n+1)(2n+1)(3n^2 + 3n-1)$$ が成り立つ。

5次恒等式を利用した証明

次の恒等式を利用して証明する。 $$ (x+1)^5 - x^5 = 5x^4 + 10x^3 + 10x^2 + 5x + 1 $$

Step 1左辺の和(消去法)

左辺について $x=1$ から $n$ までの和をとると、最初と最後だけが残る。 $$ \sum_{x=1}^n \{ (x+1)^5 - x^5 \} = (n+1)^5 - 1 $$

Step 2-1第2項の和(3次の公式)

$\sum x^3 = \frac{1}{4}n^2(n+1)^2$ を利用する。 $$ 10 \sum_{x=1}^n x^3 = \frac{5}{2}n^2(n+1)^2 $$

Step 2-2第3項の和(2次の公式)

$\sum x^2 = \frac{1}{6}n(n+1)(2n+1)$ を利用する。 $$ 10 \sum_{x=1}^n x^2 = \frac{5}{3}n(n+1)(2n+1) $$

Step 2-3第4項・第5項の和

1次の和と定数の和を計算する。 $$ 5 \sum_{x=1}^n x = \frac{5}{2}n(n+1) $$ $$ \sum_{x=1}^n 1 = n $$

Step 3全体の等式と整理

以上を整理すると次のようになる。 $$ \begin{aligned} 5\sum x^4 &= (n+1)^5 - (n+1) \\ &\quad - \frac{5}{2}n^2(n+1)^2 \\ &\quad - \frac{5}{3}n(n+1)(2n+1) \\ &\quad - \frac{5}{2}n(n+1) \end{aligned} $$

Step 4因数分解の実行

$\frac{1}{6}(n+1)$ で全体を括って整理する。 $$ \begin{aligned} 5\sum x^4 &= \frac{1}{6}n(n+1)(2n+1)(3n^2 + 3n - 1) \end{aligned} $$

§結論

両辺を $5$ で割り、$\sum k^4$ の公式が得られる。 $$ \sum_{k=1}^n k^4 = \frac{1}{30}n(n+1)(2n+1)(3n^2 + 3n - 1) $$

たとえば, $n=2$ のとき,

左辺は $1^4+2^4$ $=17$で,

右辺は $\displaystyle \frac{1}{30} \times 2 \times 3 \times 5$ $\times (3 \cdot 2^2 + 3 \cdot 2-1)$ $17$

であり, 公式の両辺がおたがいに等しいです。

<公式>等比数列の和

$\displaystyle \sum_{k=1}^n ar^{k-1} =\frac{a(r^n-1)}{r-1}$

$rS - S$ による証明はこちら
等比数列 $\{ ar^{n-1} \}_{n \in \mathbb{N}}$ について, 和の公式を導出・証明してみよう。
公式(等比数列の和)

初項 $a$, 公比 $r(\neq 1)$, 項数 $n$ の等比数列の和 $S_n$ は次のように表される。 $$\sum_{k=1}^n ar^{k-1} = \frac{a(r^n - 1)}{r - 1}$$

公式のイメージ
$3 + 6 + 12 + 24 = 45$ の両辺を2倍すると $6 + 12 + 24 + 48 = 90$ です。
同じ数がうまく消えるように, 2式を引くと $$\begin{aligned} 90 & = \phantom{rrrr} 6 + 12 + 24 + 48 \\
45 & = 3 + 6 + 12 + 24 \\ \hline
45 &= -3 \phantom{rrrrrrrrrrrr} +48 \end{aligned}$$ という感じの計算ができる。

$S = a + ar + ar^2 + \cdots + ar^{n-1}$ とおく。

Step 1$r$ 倍した式との差をとる

$S$ の両辺を $r$ 倍した式を並べ, 辺々の引き算を行う。項をずらして書くと, 中間の項がすべて消去されることがわかる。 $$ \begin{array}{crrcrcrcr} & rS &=& & ar &+& \cdots &+& ar^n \\ -) & S &=& a &+& ar &+& \cdots & \\ \hline & (r-1)S &=& -a & & & &+& ar^n \end{array} $$

Step 2式の整理

右辺を $a$ で括ると次の方程式が得られる。 $$ (r-1)S = a(r^n - 1) $$

Step 3結論

$r \neq 1$ であるから, 両辺を $(r-1)$ で割ることができる。 $$ S = \frac{a(r^n - 1)}{r - 1} $$ ゆえに, $$ \sum_{k=1}^n ar^{k-1} = \frac{a(r^n - 1)}{r - 1} $$ が成り立つ。

例えば, 等比数列 $\{ 3 \cdot 2^{n-1} \}_{n}$ について, 初項から第4項目までの和は $3 + 6 + 12 + 24$ $=45$ です。

公式でも $\displaystyle \frac{3(2^4-1)}{2-1}$ $= 45$ です!

自然数の和について

<等式>1から100までの和

$1 + 2 +\cdots + 99+ 100$

解答はこちら

$=5050$

<等式>奇数の和

$\displaystyle \sum_{k=1}^n (2k-1) =n^2$

解説はこちら
奇数の和を簡単に計算しよう。
奇数の和

$1$ から $n$ 番目の奇数 $2n-1$ までの和は $n^2$ である. $$1 + 3 + 5+ \cdots + (2n-1) = n^2$$

理屈

奇数を次の図のように並べることで, $n$ 個の奇数の和は辺の長さが $n$ の正方形と見なせる。

したがって, 数の和は $n^2$ となります。

$1$, $3$, $5$, $7$, $9$ の$5$ 個の数の和は, $25$ です。 $5^2$ にもなっている。

<等式>偶数の和

$\displaystyle \sum_{k=1}^n (2k) =n(n+1)$

解説はこちら
偶数の和を簡単に計算しよう。
命題(偶数の和)

$1$ から $n$ 番目の偶数 $2n$ までの和は $n(n+1)$ である。 $$2 + 4 + 6+ \cdots + 2n = n(n+1)$$

理屈

偶数を下図のように長方形として並べる。左上の2つの黒丸が2を表し, 4つのオレンジの丸が4を表す。以下, 6, 8, 10まで表している。

この長方形は, $n$ 個の偶数を並べると, 縦の長さが $n$, 横の長さが $n+1$ となる。
ゆえに, $2$ から $n$ 番目の偶数までの総和は $n(n+1)$ となることが分かる。

例えば, $2$ から $10$ までの $5$ 個の偶数の和は $30$ である。一方で, $5 \times (5+1)$ も $30$ である。

(等差数列 $\{a_n\}$ )×(等比数列 $\{r^{n-1}\}$ )

$\displaystyle \sum_{k=1}^n a_k \cdot r^{k-1}= \frac{a_1-a_nr^n}{1-r} + \frac{dr(1-r^{n-1})}{(1-r)^2}$

解説はこちら

等差数列 $\{a_n\}$ と等比数列 $\{ r^{n-1}\}$ の積の和について, 簡単に説明しておく。

和 $S$ と, 等比数列の公比 $r$ をかけた $rS$ を上下に並べ, $r$ について同じ次数の項同士を引く。このとき, $\{a_n\}$ が等差数列であることから, $a_2 - a_1$, $\cdots$, $a_n - a_{n-1}$ は全て等差数列の公差 $d$ となる.

$$\begin{array}{rllllll}
S & = & a_1 & + a_2 r & + \cdots &+ a_n r^{n-1} & \\
-) \quad rS & = & & + a_1 r & + \cdots &+ a_{n-1} r^{n-1} & + a_n r^n \\ \hline
(1-r)S & = & a_1 & + dr & + \cdots &+ dr^{n-1} & - a_n r^n
\end{array}$$

したがって, $(1-r)S$ $= a_1$ $+ d (r + \cdots + r^{n-1})$ $-a_nr^n$ を得る。等比数列の和の公式を利用して,

$(1-r)S$ $= a_1$ $\displaystyle + dr \cdot \frac{1-r^{n-1}}{1-r}$ $-a_nr^n$

となる。これを変形すると,

$$
S= \frac{a_1-a_nr^n}{1-r} + \frac{dr(1-r^{n-1})}{(1-r)^2}
$$

が得られる。

望遠鏡和について

部分分数分解の利用

<望遠鏡和>数列の和⑤

$\displaystyle \sum_{k=1}^n \frac{1}{k(k+1)} =\frac{n}{n+1}$

<部分分数分解>

$\displaystyle \frac{1}{k(k+1)} = \frac{1}{k}-\frac{1}{k+1}$

解説はこちら
$\frac{1}{n(n+1)}$ を式変形で2つの分数に分解してみよう。
等式(部分分数分解)

任意の自然数 $n$ について, $$\displaystyle \frac{1}{n(n+1)} = \frac{1}{n} - \frac{1}{n+1}$$ が成り立つ。

右辺を変形し, 左辺と等しいことを示す。

Step 1通分

分母を $n(n+1)$ に揃える。 $$ \begin{aligned} \frac{1}{n} - \frac{1}{n+1} &= \frac{1 \cdot (n+1)}{n(n+1)} - \frac{1 \cdot n}{n(n+1)} \\[8pt] &= \frac{n+1}{n(n+1)} - \frac{n}{n(n+1)} \end{aligned} $$

Step 2分子の計算

一つの分数にまとめ, 分子を整理する。 $$ \begin{aligned} \frac{n+1 - n}{n(n+1)} &= \frac{1}{n(n+1)} \end{aligned} $$

Conclusion結論

右辺を計算した結果, 左辺と一致する。したがって, $$ \frac{1}{n(n+1)} = \frac{1}{n} - \frac{1}{n+1} $$ が成り立つ。

例えば, $\displaystyle \frac{1}{3\cdot 4} = \frac{1}{3} - \frac{1}{4}$ という計算です。

<望遠鏡和>数列の和⑥

$\displaystyle \sum_{k=1}^n \frac{1}{k(k+1)(k+2)} =\frac{n(n+3)}{4(n+1)(n+2)}$

<部分分数分解>

$\displaystyle \frac{1}{k(k+1)(k+2)} = \frac{1}{2} \left\{ \frac{1}{k(k+1)}-\frac{1}{(k+1)(k+2)} \right\}$

解説はこちら
$\frac{1}{n(n+1)(n+2)}$ を式変形で, 2つの分数に分解してみよう。
等式(3項の部分分数分解)

分母が3つの連続する整数の積である分数は, $$ \frac{1}{n(n+1)(n+2)} = \frac{1}{2} \left\{ \frac{1}{n(n+1)} - \frac{1}{(n+1)(n+2)} \right\} $$ のように分解できる。

右辺を計算し, 左辺の形を導くことで等式を証明する。

§計算プロセス

右辺の括弧内を通分して整理する。 $$ \begin{aligned} &\frac{1}{2}\left\{ \frac{1}{n(n+1)} - \frac{1}{(n+1)(n+2)} \right\} \\[8pt] &=\frac{1}{2}\left\{ \frac{n+2}{n(n+1)(n+2)} - \frac{n}{n(n+1)(n+2)} \right\} \\[8pt] &=\frac{1}{2} \cdot \frac{n+2 - n }{n(n+1)(n+2)} \\[8pt] &=\frac{1}{2} \cdot \frac{2}{n(n+1)(n+2)} \\[8pt] &=\frac{1}{n(n+1)(n+2)} \end{aligned} $$

§結論

計算の結果, 左辺の形と一致した。 ゆえに, $$ \frac{1}{n(n+1)(n+2)} = \frac{1}{2}\left\{ \frac{1}{n(n+1)} - \frac{1}{(n+1)(n+2)} \right\} $$ が成立する。

例えば, $\displaystyle \frac{1}{3\cdot 4 \cdot 5} = \frac{1}{2}\left\{ \frac{1}{3 \cdot 4} - \frac{1}{4 \cdot 5} \right\}$ という計算です。

分母の実数化の利用

<望遠鏡和>数列の和⑦

$\displaystyle \sum_{k=1}^n \frac{1}{\sqrt{k}+\sqrt{k+1}}$ $=\displaystyle \sqrt{n+1}-1$

<分母の有理化>

$\displaystyle \frac{1}{\sqrt{k} + \sqrt{k+1}} = \sqrt{k+1}-\sqrt{k}$

解説はこちら

$\displaystyle \frac{1}{\sqrt{n} + \sqrt{n+1}}$ の分母と分子に, $\sqrt{n+1}-\sqrt{n}$ をかければよい。

フィボナッチ数列の和について

フィボナッチ数列 $\{ F_n \}_n$ について, $F_1 = F_2 = 1$, $F_n=F_{n-1} + F_{n-2} (n\geqq 3)$ とする。

<フィボナッチ数列>和

$\displaystyle \sum_{k=1}^n F_k = F_{n+2}-1$

証明はこちら
フィボナッチ数列の初項から第 $n$ 項までの和が $F_{n+2}-1$ であることを証明してみよう。
フィボナッチ数列の和

フィボナッチ数列 $\{F_n\}$ に対して, 任意の正の整数 $n$ について次が成り立つ。 $$ F_1 + \cdots + F_n = F_{n+2} - 1 $$

数学的帰納法による証明

数学的帰納法によって示す。

§$n=1$ のとき

$n=1$ のとき, 左辺は $F_1 = 1$ である。 右辺は $F_3 - 1 = 2 - 1 = 1$ である。

ゆえに, $n=1$ のとき, 示すべき等式は成り立つ。

§帰納法の仮定

$n = k \in \mathbb{N}$ のとき, $$ F_1 + \ldots + F_k = F_{k+2} - 1 $$ が成り立つと仮定する。

§帰納法の推論

$n = k+1$ のときについて考える。

$$ \begin{aligned} F_{n+2} - 1 &= F_{(k+1)+2} - 1 \\ &= F_{k+3} - 1 \\ &= F_{k+2} + F_{k+1} - 1 \\ &= F_{k+1} + (F_{k+2} - 1) \\ &= F_{k+1} + (F_k + \ldots + F_1) \\ &= F_{k+1} + \ldots + F_1 \end{aligned} $$

したがって, $n = k+1$ のときも, $$ F_1 + \ldots + F_n = F_{n+2} - 1 $$ が成り立つ。

フィボナッチ数列 $\{F_n\}$ は $$ F_{k+3} = F_{k+2} + F_{k+1} $$ を満たす。
§結論

以上から, 数学的帰納法によって, 任意の自然数 $n$ について $$ F_1 + \ldots + F_n = F_{n+2} - 1 $$ が成り立つ。

例えば, $n=3$ のときについて考える。
① $F_1 + F_2 + F_3$
② $F_5 - 1$
が同じ値になる理由を観察する。 まず, $F_5$ を分解すると $$ \begin{aligned} F_5 &= F_3 + F_4 \\ &= F_3 + (F_2 + F_3) \\ &= F_3 + F_2 + (F_1 + F_2) \\ &= F_3 + F_2 + F_1 + 1 \end{aligned} $$ よって,
①' $F_5$
②' $F_3 + F_2 + F_1 + 1$
から, それぞれ $1$ を引けば, ① $F_1 + F_2 + F_3$ と ② $F_5 - 1$ が得られる。
したがって, $n=3$ のとき, $$ F_1 + F_2 + F_3 = F_5 - 1 $$ が確かに成り立つことが分かる。

<フィボナッチ数列>平方和

$\displaystyle \sum_{k=1}^n F_k^2 = F_nF_{n+1}$

証明はこちら
フィボナッチ数列の初項から第 $n$ 項までの平方和が $F_nF_{n+1}$ であることを証明してみよう。
命題(フィボナッチ数列の平方和)

フィボナッチ数列 $\{F_n\}$ に対して, 任意の自然数 $n$ について, $$ F_1^2 + F_2^2 + \cdots + F_n^2 = F_n F_{n+1} $$ が成り立つ。

フィボナッチ数列の平方和

フィボナッチ数列 $\{F_n\}$ を $F_1 =F_2= 1$ かつ $$F_{n+2}=F_{n+1}+F_n$$ によって定める。 これに対し, $$F_1^2+\cdots+F_n^2 = F_nF_{n+1}$$ が成り立つことを数学的帰納法によって示す。

§初期条件の確認

$n=1$ のとき, 左辺は $F_1^2 = 1$ である。一方, 右辺は $$F_1F_2 = 1\cdot 1 = 1$$ である。よって, $n=1$ のとき, 示すべき等式は成り立つ。

§帰納法の仮定

$n=k \in \mathbb{N}$ のとき, $$F_1^2+\cdots+F_k^2 = F_kF_{k+1}$$ が成り立つと仮定する。

§帰納法の推論

$n=k+1$ のときについて考える。 フィボナッチ数列の定義より $$F_{k+2}=F_{k+1}+F_k$$ が成り立つから,

$$\begin{aligned} F_{k+1}F_{k+2} &= F_{k+1}(F_{k+1}+F_k) \\ &= F_{k+1}^2 + F_kF_{k+1} \\ &= F_{k+1}^2 + (F_k^2+\cdots+F_1^2) \\ &= F_{k+1}^2+\cdots+F_1^2 \end{aligned}$$

よって, $n=k+1$ のときも, 示すべき等式は成り立つ。

§結論

以上より, 数学的帰納法によって, 任意の自然数 $n$ について $$F_1^2+\cdots+F_n^2 = F_nF_{n+1}$$ が成り立つ。

$n=3$ のとき,
① $F_1^2 + F_2^2 + F_3^2$
② $F_3 F_4$
が等しくなる理由を観察します。

②について考えると, $$ F_3 F_4 = F_3 (F_3 + F_2) = F_3^2 + F_2 F_3 $$ です。

ここで, $$ F_2 F_3 = F_2 (F_2 + F_1) = F_2^2 + F_2 F_1 $$ となります。

さらに,$F_2 = F_1$ であるから, $F_2 F_1 = F_1^2$ です。

以上より, $$ F_3 F_4 = F_3^2 + F_2^2 + F_1^2 $$ となり,①と②は等しいことが分かります。

<フィボナッチ数列>奇数項の和

$\displaystyle \sum_{k=1}^n F_{2k-1} = F_{2n}$

証明はこちら
奇数番号のフィボナッチ数の和 $ F_1 + F_3 + F_5 + \cdots + F_{2n-1}$ が $F_{2n}$ であることを証明してみよう。
公式(フィボナッチ数列の奇数項の和)

フィボナッチ数列 $\{F_n\}$ (ただし $F_1=F_2=1$)について, 次が成り立つ。 $$ \sum_{k=1}^n F_{2k-1} = F_{2n} $$

数学的帰納法による証明

任意の自然数 $n$ について, 次の等式(*)が成り立つことを数学的帰納法で証明する。 $$ F_1 + F_3 + \cdots + F_{2n-1} = F_{2n}$$

§$n=1$ のとき

左辺は $F_1 = 1$, 右辺は $F_{2 \cdot 1} = F_2 = 1$ である。
ゆえに, $n=1$ のとき等式(*)は成り立つ。

§$n=k$ のときを仮定

$n=k$ のとき, 等式(*)が成り立つと仮定する。すなわち, $$ F_1 + F_3 + \cdots + F_{2k-1} = F_{2k} $$ が成り立つと仮定する。

§$n=k+1$ のとき

$n=k+1$ のとき, (*)の左辺の和を計算すると: $$ \begin{aligned} &(F_1 + \cdots + F_{2k-1}) + F_{2k+1} \\ &= F_{2k} + F_{2k+1}\\ &= F_{2k+2} \\ &= F_{2(k+1)} \end{aligned} $$ となり, $n=k+1$ のときの右辺に一致する。
※ ここでフィボナッチ数列の定義 $F_{2k+2} = F_{2k+1} + F_{2k}$ を用いた。

§結論

よって, $n=k$ のとき等式が成り立つと仮定すると, $n=k+1$ のときも成り立つことが示された。
数学的帰納法により, すべての自然数 $n$ について $$ F_1 + F_3 + \cdots + F_{2n-1} = F_{2n} $$ は成り立つ。

公式の観察; $n=3$ のとき, ① $F_1 + F_3 + F_5$ と ② $F_6$ が同じ理由を観察します。

$F_1$ は $F_2$ と等しく, $F_3$ は $F_4 - F_2$ と等しく, $F_5$ は $F_6- F_4$ と等しいです。 これらの和は $F_6$ になり, ②と一致します。

<フィボナッチ数列>偶数項の和

$\displaystyle \sum_{k=1}^n F_{2k} = F_{2n+1}-1$

証明はこちら
偶数番号のフィボナッチ数の和 $F_2 + F_4 + \cdots + F_{2n}$ が $F_{2n+1}-1$ であることを証明してみよう。
公式(フィボナッチ数列の偶数項の和)

フィボナッチ数列 $\{F_n\}$ (ただし $F_1=F_2=1$) について, 次が成り立つ。 $$\sum_{k=1}^n F_{2k} = F_{2n+1} - 1$$

数学的帰納法による証明

すべての自然数 $n$ について, 次の等式(*)が成り立つことを数学的帰納法で証明する。 $$ F_2 + F_4 + \cdots + F_{2n} = F_{2n+1} - 1$$

§$n=1$ のとき

左辺は $F_2 = 1$ である。
右辺は $F_{2 \cdot 1 + 1} - 1 = F_3 - 1 = 2 - 1 = 1$ である。
ゆえに, $n=1$ のとき等式(*)は成り立つ。

§$n=k$ のときを仮定

$n=k$ のとき, 等式(*)が成り立つと仮定する。すなわち, $$ F_2 + F_4 + \cdots + F_{2k} = F_{2k+1} - 1 $$ が成り立つとする。

§$n=k+1$ のとき

$n=k+1$ のとき, 左辺の和を計算すると次のようになる。 $$ \begin{aligned} &(F_2 + F_4 + \cdots + F_{2k}) + F_{2k+2} \\[5pt] &= (F_{2k+1} - 1) + F_{2k+2} \\[5pt] &= (F_{2k+2} + F_{2k+1}) - 1 \\[5pt] &= F_{2k+3} - 1 \\[5pt] &= F_{2(k+1)+1} - 1 \end{aligned} $$ となり, $n=k+1$ のときも等式(*)は成り立つ。

§結論

以上より, 数学的帰納法によって, すべての自然数 $n$ について $$ F_2 + F_4 + \cdots + F_{2n} = F_{2n+1} - 1 $$ が成り立つ。

公式の観察; $n=3$ のとき ① $F_2 + F_4 + F_6$ と ② $F_7 - 1$ が同じ値の理由を観察します。

①について $F_2 = F_3 - F_1$, $F_4 = F_5 - F_3$, $F_6 = F_7- F_5$ と変形して和をとると, $F_7 -F_1$ となる。 $F_1=1$ だから, ①と②は同じ値と分かる。

【実例】数列の和が世の中で使われている例

<経済学>複利積立

$\displaystyle \sum_{k=0}^na(1+r)^k$

解説はこちら
複利式で、毎回同額ずつを積み立てた場合の資金の変化を考えてみよう。
複利積立の元利合計

毎回の積立額 $a$, 利率 $r$ とし, $n$ 回目の利子を受け取った直後の元利合計 $S$ は $$S= \frac{a \{ (1+r)^{n+1} - 1 \}}{r} $$ と表される。ただし, その回に積み立てた額 $a$ も含むものとする。

例えば, 年利率が $0.1(10\%)$ で $10$ (万)円を毎年積み立てた場合, $n$ 年後には $$\frac{10 \{ (1.1)^{n+1} -1\}}{0.1} \text{(万)円}$$になります。
証明:複利積立の元利合計公式

$0 \leqq k \leqq n$ とする。初回から数えて $n$ 回目の利子を受け取る時点では, $k$ 回目に積み立てた額 $a$ には利子が $n-k$ 回付くため, 元利合計は $a(1+r)^{n-k}$ となる。

$k=0$ (初回)の積立額:利子が $n$ 回付き, $a(1+r)^n$ となる。
$k=n$ (最新)の積立額:利子はまだ付かず, 元金のまま $a(1+r)^0 = a$ となる。
Step 1各項の意味

これらすべての和をとると, 求める総額は $\displaystyle \sum_{k=0}^n a (1+r)^{n-k}$ $= a(1+r)^n + \cdots + a(1+r) + a$ のように表される。

Step 2等比数列の和としての計算

この和は, 足す順番を逆にすると「初項 $a$, 公比 $1+r$, 項数 $n+1$」の等比数列の和とみなすことができる。 $$ \sum_{k=0}^n a (1+r)^{n-k} = \sum_{k=0}^n a (1+r)^{k} $$

ここで, 初項 $a$, 公比 $R$, 項数 $N$ の等比数列の和の公式 $\frac{a(R^N - 1)}{R-1}$ を用いる。今回の項数は $n+1$ であることに注意して計算すると: $$ \begin{aligned} \sum_{k=0}^n a (1+r)^{k} &= \frac{a \{ (1+r)^{n+1} - 1 \}}{(1+r) - 1} \\[8pt] &= \frac{a}{r} \{ (1+r)^{n+1} - 1 \} \end{aligned} $$

§結論

ゆえに, $n$ 回目の利子を受け取った後の積立の元利合計は $$ \frac{a}{r} \{ (1+r)^{n+1} - 1 \} $$ である。

複利の年利率が $0.1$ $(10\%)$, 投資額を $10$ (万)円 とします。
各年度で投資した $10$ 万円の10年間の推移を表にしました。
積立年度投資額利子を含めた10年後の金額
初年度10万円$10(1.1)^{10}$ 万円
1年後10万円$10(1.1)^{9}$ 万円
2年後10万円$10(1.1)^{8}$ 万円
$\vdots$$\vdots$$\vdots$
9年後10万円$10 \times (1.1)$ 万円
10年後10万円$10$ 万円
合計額110万円$185.311$ 万円
10年後の元利合計の総額は $10(1.1)^{10}$ $+10(1.1)^{9}$ $+10(1.1)^{8}$ $+ \cdots$ $+10 \cdot (1.1)$ $+10$ です!

<経済学>顧客生産価値

$\displaystyle LTV = \sum_{n=0}^\infty M\left( \frac{A}{100} \right)^n$

解説はこちら
顧客生産価値(Life Time Value)

1人の会員が生涯に渡って支払う会員料金の期待値を顧客生産価値 $LTV$ という。
毎回の会員料金を $M$, 会員の継続率を $A[\%]$ とすると, $$\displaystyle LTV = \sum_{n=0}^\infty M\left( \frac{A}{100} \right)^n$$ である。

毎回の会員料金を $1,000$(円), 会員の継続率を $50[\%]$ とすると, $$LTV =\sum_{n=0}^\infty 1000 \left( \frac{50}{100} \right)^n =2,000$$ です。

<経済学>割引現在価値

$\displaystyle DPV=\sum_{n=1}^N\frac{F_n}{(1+r)^n}$

解説はこちら
割引現在価値(Discount Present Value)

ある将来時点で受け取る金額に対し、それと等価とみなせる現在時点での金額のことを割引現在価値 $DPV$ という。
将来時点での金額 $F$, 利率 $r$, 期間 $n$(回) とすると, $$\displaystyle DPV=\frac{F}{(1+r)^n}$$ である。

利子率を $r=0.1$ とする。 来年の $100$(万円)の, 今年時点の価値は $$\displaystyle \frac{100}{1+0.1}\fallingdotseq 91 \text{(万円)}$$ であり, 再来年の$100$(万円)の, 今年時点の価値は $$\displaystyle \frac{100}{(1+0.1)^2}\fallingdotseq 83\text{(万円)}$$ となります。

$n$ 年後に受け取る金額を $F_n$ とすると, そのDPVは $\frac{F_n}{(1+r)^n}$ となる。

将来, 定期的に $N$ 回, 受け取る金銭があれば、それらの合計の割引現在価値は $$\displaystyle DPV=\sum_{n=1}^N\frac{F_n}{(1+r)^n}$$ と計算できる。

【大学】無限級数の具体例

リーマン・ゼータ関数について

<定義>リーマン・ゼータ関数

$\displaystyle \zeta(s) = \frac{1}{1^s} + \frac{1}{2^s} + \frac{1}{3^s} + \cdots$

※ $s$ は実部が $1$ より大きい複素数

解説はこちら
定義(リーマン・ゼータ関数)

実部が $1$ より大きい複素数 $s$ について, $$\displaystyle \zeta(s) = \sum_{n=1}^\infty \frac{1}{n^s}$$ をリーマン・ゼータ関数という。

※この関数は $s \neq 1$ の複素数の範囲に解析接続により拡張することができる。

たとえば,
$\zeta(2)$ $\displaystyle =\sum_{n=1}^\infty \frac{1}{n^2}$ $\displaystyle = \frac{\pi^2}{6}$

$\zeta(4)$ $\displaystyle =\sum_{n=1}^\infty \frac{1}{n^4}$ $\displaystyle = \frac{\pi^4}{90}$
です。

<等式>バーゼル問題

$\displaystyle {1}+\frac{1}{2^2}+\frac{1}{3^2} + \frac{1}{4^2} + \cdots =\frac{\pi^2}{6}$

不思議な足し算について

<等式>和が $\pi$

$\displaystyle 1-\frac{1}{3}+\frac{1}{5} - \frac{1}{7} + \cdots =\frac{\pi}{4}$

<等式>和が $\log$

$\displaystyle 1-\frac{1}{2}+\frac{1}{3}-\frac{1}{4}+\cdots =\log 2$

<等式>和が $\sin$

$\displaystyle 1-\frac{1}{3!}+\frac{1}{5!} - \frac{1}{7!} + \cdots =\sin 1$

<等式>和が $\cos$

$\displaystyle 1-\frac{1}{2!}+\frac{1}{4!}- \frac{1}{6!} + \cdots =\cos 1$

<等式>和がネイピア数 $e$

$\displaystyle 2+\frac{1}{2!}+\frac{1}{3!}+\frac{1}{4!} + \cdots =e$

【コード】Pythonで数列の和を計算

数列をリストでseqと定める。

数列の和の計算

sum(seq)

解説はこちら
Pythonのリストの合計を出力するsum()関数の使い方を習得しよう。
Python

sum()関数は、引数にリストを入れることで、リストの要素の合計値を出力する。

入力例:
[5, 7, 3, 4, 8]の要素の合計値を計算して出力する。
lst = [5, 7, 3, 4, 8]
sum(lst)
RESULT / OUTPUT

数列の和のリストを作成

accumulate(seq)

解説はこちら
Pythonのリストの初めからi番目までの和を並べて新しいリストを作るitertools.accumulate()関数の使い方を習得しよう。
Python

itertoolsモジュールを利用する。

accumulate()関数は, 引数にリストを入れることで, そのリストの0番目からi番目までの要素の合計値をi番目とするリストを作成する。

ただし, list()関数を適用しなければ, 実際のリストとして出力されない。

入力例:
[2, 7, 5, 3]のリストにaccumulate()関数を適用し新しいリストを作る。
from itertools import accumulate

lst = [2, 7, 5, 3]
result = list(accumulate(lst))

print(result)

リーマンゼータ関数の値

mpmath.zeta() sympy.zeta()

解説はこちら

$s$ を実部が $1$ よりも大きい複素数とします。ゼータ関数の値 $\zeta(s)$ をPythonで計算してみよう。

ゼータ関数(小数近似)

小数近似を行う場合はmpmathモジュールを利用する。

zeta()関数の引数に $s \neq 1$ の複素数を入力することで, (解析接続された)ゼータ関数の値を出力する。

ゼータ関数(有理数表示)

分数表示を行う場合はsympyモジュールを利用する。

zeta()関数の引数に $s \neq 1$ の複素数を入力することで, (解析接続された)ゼータ関数の値を分数(有理数表示)で出力する。計算を正確にする場合, sympy.S()で型を変えておくと良い。

Pythonコード入力例①. $\zeta(-1)$ と $\displaystyle -\frac{1}{12}$ の値を mpmath.zeta()で出力する。

from mpmath import zeta

print(zeta(-1))
print(-1/12)

Pythonコード入力例②. $\zeta(-1)$ の値を sympy.zeta()で出力する。

from sympy import zeta, S

print(zeta(-1))    # -1/12(有理数で表示)
print(zeta(S(-1))) # -1/12(計算用)

まとめノート

「数列の和」とは

ある規則で並んだ数を足し合わせること。

記号

数列の和 $S_n = a_1 + \cdots + a_n$ を $\displaystyle \sum_{k=1}^n a_k$ と記す.

定数列

定数 $c$ について $\{ c \}_n$ の和は $\displaystyle \sum_{k=1}^n c = nc$ である.

A. 数列 $\{n^p\}_n$ の和

  1. $1+ 2+ \cdots + n$ $\displaystyle =\sum_{k=1}^n k$ $\displaystyle = \frac{1}{2}n(n+1)$
  2. $1^2+ 2^2+ \cdots + n^2$ $\displaystyle =\sum_{k=1}^{n}k^2$ $\displaystyle = \frac{1}{6}n(n+1)(2n+1)$
  3. $1^3+ 2^3+ \cdots + n^3$ $\displaystyle =\sum_{k=1}^{n}k^3$ $\displaystyle = \left\{ \frac{1}{2}n(n+1) \right\}^2$

B. 等比数列 $\{a r^{n-1}\}_n$ の和 $(r \neq 1)$

初項 $a$, 公比 $r$ の等比数列の和は, $\displaystyle \sum_{k=1}^n a r^{k-1} = \frac{a(r^n-1)}{r-1}$.

C. 和 $S_n$ から一般項 $a_n$ を導く式

$a_1 = S_1$ である. $n \geqq 2$ のとき, $a_n = S_n - S_{n-1}$ である.

ポイント解説

A

数列 $\{ n^p \}_n$ の和は, 二項定理 $$\begin{array}{l}
(k+1)^{p+1} -k^{p+1} \\
= {}_{p+1}\mathrm{C}_{1} k^p + {}_{p+1}\mathrm{C}_{2} k^{p-1}+\cdots +1
\end{array}$$ の両辺それぞれで, $\sum_{k=1}^n$ を計算することで求める。左辺は, $(n+1)^{p+1}-1$ となり, 右辺は, $\displaystyle \sum_{k=1}^n k^p$, $\displaystyle \sum_{k=1}^n k^{p-1}$, $\cdots$ で表される。帰納的に, 数列 $\{ n^p \}_n$ の和の式が分かる。

C

初期値 $a_1$ に注意する。

例:$S_n=n^2+1$ は, $S_n-S_{n-1}$ $=$ $2n-1$ だが, $a_1$ $=$ $S_1$ $=$ $2$ である。$$\displaystyle a_n = \left\{ \begin{array}{ll}
2n-1 & (n \neq 1) \\
2 &(n=1)
\end{array} \right.$$

参考(望遠鏡和)

「「項の差」の和」の計算は, 末項と初項の差になる。$$\sum_{k=1}^{n}(a_{k+1}-a_k) = a_{n+1} - a_1$$