- まとめ
「三角形の重心」とは
三角形の重さのつり合いの中心のこと。
定義
三角形の3本の中線の交点を重心とする.
A. 重心の存在の保証
三角形の3本の中線は, 一点で交わる.
B. 性質(重心の位置)
それぞれの中線について, 頂点から重心までの長さと, 重心から対辺との交点までの長さの比は, $2 : 1$ である.
C. 重心の座標
三角形ABCの各頂点の座標を $\mathbf{a}$, $\mathbf{b}$, $\mathbf{c}$ とする. 重心の座標は,
$$\frac{\mathbf{a} + \mathbf{b} + \mathbf{c}}{3}.$$
D. 法則(3物体の重心)
同じ質量の3つの物体が点A, B, Cの位置にあるとする. 重力のモーメントの総和がゼロになる点(重さのつり合いの中心)は重心に一致する.
ポイント解説
A
チェバの定理の逆で証明できます。
B
メネラウスの定理で, 証明できます。
C
辺ABの中点の座標は, $(\mathbf{a} + \mathbf{b})/2$ です。点Cと$(\mathbf{a} + \mathbf{b})/2$ を $2:1$ に内分する点が重心であり, 計算できます。
D
物体の質量を $m$ とします。AとBの物体のつり合いの位置は, その中点Mで, 質量の総量は $2mg$ です。
重心から点Cのモーメントを $mg \times 2$ とすると, 重心から点Mのモーメントは $2mg \times 1$ です。
以上から, 重心での重力によるモーメントの総和はゼロであることが分かります。
★各詳細は今後書いていきます。