チャート式で勉強する高校生に向けて書きました。
数研出版の公式の勉強の仕方ではなく、私個人のオリジナルの勉強の仕方を伝えます。
このブログでは、チャート式を利用した勉強の取り組み方と、チャート式を開発した星野華水さんについて紹介したいと思います。星野華水さんについては、wikipediaと数研出版さんのホームページを参考としました。
勉強に利用している教科書や参考書が辿ってきた歴史を知っておくと、勉強に面白さが一つ追加されると思います!
参考書・問題集の勉強方法について
生徒の自主学習に付き添っていると、勉強の仕方についての質問を沢山受けます。
私が今までに受けた質問への回答を発信していきます!
「チャートを個人的に解いているのですが、おすすめの進め方ってありますか?」
チャート式に限らず、ほとんどの参考書や問題集には、著者の考える利用方法が記載されています。チャート式にも、数学の問題が羅列されているページの前の部分に「本書の活用方法」があります。
新しく教科書や参考書を見るときは、「本書の活用方法」の部分を読んでみることが大切な選定基準、勉強方法の指針になります。
この部分を読んだ上で、私個人のオススメ勉強方法(以下の記事)を読んでもらえると幸いです。
チャート式のオススメ勉強方法
チャート式は、難易度のレベルによって色分けされています。どの色でもオススメの勉強の方法には共通することがあります。
今回は、もっともよく使われていると思われる黄チャートについて述べます。他のチャートでも同様の勉強方法をオススメします。
チャート式の特徴
チャート式の特色(白青についてもほぼ同様)は、次のようにチャート式自身に書かれています。
「教科書マスターから入試対策まで幅広くカバー。詳しさ、わかりやすさに加え、多様な使い方にも対応した参考書。」
ここから、私なりに要素を抜き出して列挙します。
- 【特徴1】多くの問題(全範囲と全解法)が載っている(理由:幅広くカバー)
- 【特徴2】丁寧な解説が載っている(理由:詳しさ、わかりやすさ)
最も明白な利点は、この2点であると思います。これらの特徴を踏まえて、チャート式の利用方法を解説します。
ダメな勉強方法(チャート式の勉強方法)
チャート式の利点を2つ挙げました。
生徒の勉強を観察していると、この利点に甘えすぎて、逆に、ダメな勉強になってしまっていることが散見されます。
チャート式でダメな勉強方法になってしまっている事例を伝えます。
- 問題集の模範解答を見ながら問題を解き終え、解法を理解して習得したつもりになってしまう。チャート式は、確かに新しく解法を習得していくために利用すれば良いのですが、数学の適切な勉強の仕方が身についてなければ本末転倒になります。つまり、問題集の模範解答を見ながら解く癖があると、解法の丸暗記で終わってしまうことになります(特徴2に甘えてしまう)。
- 各単元の初めのページから順番に解き進めていき、初めの方を忘れてしまう。特に受験勉強という限られた時間の中で勉強する利用法としてはオススメできません(特徴1が逆効果に働いてしまっている結果になる)。
これらの本末転倒になる理由は、「教科書傍用問題集(サクシードや4STEP、クリアーなど)と同じ気持ちで使っていくという気持ちであること」が原因だと考察しています。
受験勉強ではなく、普段の勉強方法として進めていくのであれば推奨されます。しかし、問題が多すぎる【特徴(1)】ので, 限られた時間の中で全ての問題を解くような受験対策をするには、チャート式は相応しくありません。数学の適切な勉強方法が身についていない人は、丁寧な解説【特徴(2)】の為に、解法を丸暗記しがちになり、入試問題の際に応用できなくなることに陥りがちです。
問題レベルとしては, 皆さんお持ちの傍用問題集とチャート式は同じです。チャート式の方が断然勉強しやすいと思います!なぜならば、問題のすぐ近くに解法が書かれているからです。しかし、きちんとした数学の勉強の仕方が身についていない人にとっては、その見かけの勉強のしやすさが仇となる事になる可能性が大きいと思っています。
オススメの勉強方法(チャート式の勉強方法)
チャート式を使う場面として、強くオススメできるのは、次の2つの時です。
- 未習の単元の勉強、もしくは普段の授業の予習として、活用すること
- 他の問題集や模試などの問題の理解を習得したいときに、辞書として活用すること
一つ目の学習方法は、授業の予習として勉強をしておきたいときに行うと良いと思います。つまり、チャート式は授業の予習として問題の解法を知っておきたいときに利用することがオススメです。
二つ目の学習方法は、知らない解法を体系立てて理解するために、辞書として利用することが挙がります。つまり、チャート式は実践問題の復習として、問題の解法を整理するために利用することがオススメです。
この二つ目の利用法は、受験間近の皆さんにはオススメしたい活用方法です。
例えば、模試などで解法が分らない問題があったとすると、その模範解答を見ずに、チャート式で利用できそうな解法がないか(類題)を調べてみましょう。こういった辞書としての活用は、単なる丸暗記ではなく、解法をより良く理解するのに適した学習法です。
普段の勉強で基礎習得を目指すためにチャート式を活用したい場合にも、上で述べた勉強方法を応用することができます。まず傍用問題集を進め、分からない問題については、チャート式で解法を参照する。この方法がオススメです。
こういった勉強によりチャート式で基礎と基本を固めつつ、網羅系問題集や実践問題集のよって、共通テストや2次試験(個別試験)への入試実践力をつけていくことが求められます。以上が、私としての勉強方法の一意見です。
数研出版とチャート式数学のコラム
「チャート式数学」とは数研出版という会社の代表的な参考書です。
数研出版とは、数学の教科書を多く手がけている会社で、現在の数学教育に大きな貢献をしてくれている会社です。この会社の参考書の根源がチャート式なのです。(←驚き!)
大正時代に、星野華水(ほしのかすい)という教育者が、数学の参考書として「チャート式」を執筆しました。
数研出版の、このサイトをご覧ください(星野さんの画像を見ることができます)。
チャート式の大きな特徴とは、各問題の解法を整理してくれていることです。今では、当たり前のことかもしれませんが、当時としては、
「初対面の問題に出会ったときに、こうやってこのように解けばいい」
と整理して記載されている書籍は、独創的な参考書であったようです。このため学習者に多大な指示を得ていたようです。彼の数学研究社が現在の数研出版の源流です。数学研究社があった場所は京都でした。
こういった歴史を見てみると面白いですね。私は、チャート式の勉強の仕方を生徒に尋ねられれば、その勉強の方針とともに星野さんのことも喋ります!
ここまで、お読みいただきありがとうございます!