- 目次
- 理解
- 事例
- コード
- まとめ
【理解】実数とは
有理数について
有理数 $\mathbb{Q}$ の定義
有理数(既約分数表示; 分母の素因数が $2$ と $5$ のみ) $\Rightarrow$ 有限小数
有理数(既約分数表示; 分母の素因数に $2$ と $5$ 以外の素数が存在) $\Rightarrow$ 循環する無限小数
有理数は加減乗除について閉じている
無理数について
無理数 $\mathbb{R} \backslash \mathbb{Q}$ の定義
無理数 $\Rightarrow$ 無限小数である
任意の実数について, 「有限小数または循環する無限小数」$\Leftrightarrow$ 「有理数」であることが成り立つ.
この対偶を取れば, 「無理数」$\Leftrightarrow$「循環しない無限小数」が成り立つ.
無理数は加減乗除について閉じていない
例えば, 加法については
$\sqrt{2} +(- \sqrt{2})=0$
であるから閉じていない. また, 乗法については,
$\sqrt{2} \times \sqrt{2}=2$
であるから閉じていない. ちなみに, 無理数の無理数ベキについても
$\sqrt{2}^{\log_29}=3$
と有理数になる例がある.
小数について
有限小数 $\Rightarrow$ 有理数
具体例 $2.153$ で確認する。
有理数とは, (整数)/(整数)と表される数だった。
$$2.153 = \frac{2153}{1000}$$
$2153$ も $1000$ も整数である。
したがって, $2.153$ は有理数である。
循環する無限小数 $\Rightarrow$ 有理数
具体例 $2.\dot{1}5\dot{3} = 2153153\cdots$ で確認する。
$x = 2.\dot{1}5\dot{3}$ と置く。
両辺を$1000$倍した $1000x = 2153.\dot{1}5\dot{3}$ という数も考える。
$$\begin{array}{rrrrl}
&1000x & = & 2153.& 153\cdots\\
- \large{)}& x & = & 2.&153\cdots\\
\hline
& 999x & = & 2151 &
\end{array}$$
$$\displaystyle x =\frac{2151}{999} = \frac{239}{111}$$
ゆえに,次が言える:
$$\displaystyle 2.\dot{1}5\dot{3} = \frac{239}{111}$$
有理数とは,(整数)/(整数)と表される数だった。
したがって,$2.\dot{1}5\dot{3}$ は有理数である。
循環しない無限小数 $\Rightarrow$ 無理数
任意の実数について, 「有理数」 $\Leftrightarrow$ 「有限小数または循環する無限小数」であることが成り立つ.
この対偶を取れば, 「循環しない無限小数」 $\Leftrightarrow$ 「無理数」が成り立つ.
実数について
数の集合の包含関係 $\mathbb{N} \subset \mathbb{Z} \subset \mathbb{Q}$, $\bar{\mathbb{Q}} = \mathbb{R} \backslash \mathbb{Q}$
$\mathbb{N} \subset \mathbb{Z} \subset \mathbb{Q} \subset \mathbb{R}$,
$\bar{\mathbb{Q}}=\mathbb{R} \backslash \mathbb{Q}$: 無理数.
Column. 実数の役割
有理数と無理数の教え方(構想中)
有理数を「整数分の整数」とか「有限小数or循環小数」とか、ではなく、「何倍かしたら整数になるもの」もしくは「何個か合わせたら整数になるもの」と捉えれば「見える化」できるかもしれない。割り算とか、小数とかの概念ではなく、掛け算とか足し算の概念で理解した方が楽だと思う。【例:有理数】数直線上で有理数とは、基準の長さを当分に分けたときにできる長さ全てである。→数倍すれば整数になる。【例:無理数】$\sqrt{2}$ は何個集めても整数に成らない数のこと。
無理数について(所感)
よく、「ピタゴラスが無理数の存在を認めなかった」という主張があるけど、本当かなーって疑問を抱いた。「こんな綺麗な数だけで、任意の長さを表せられる」と思う方が不自然な気がする。もしかすると、無理数の存在を認めないという感覚的な問題ではなくて、記法的にも数学の証明的にも論理的に認めるための手段が無かったという気持ちなんじゃないかなーって感じる。昔の人の気持ちはどうなんだろーな。今を基準にして昔を図るのは良くないけど、どうなんでしょうね。
【事例】実数の具体例
有名な無理数の値について
| 種類 | 記号 | 近似値 |
|---|---|---|
| 常用対数 | $\log_{10}2$ | 0.301029995663981 |
| 円周率の逆数 | $1 / \pi$ | 0.318309886183791 |
| 常用対数系 | $\log_{10}3$ | 0.477121254719667 |
| オイラー–マスケローニ定数(?) | $\gamma$ | 0.577215664901532 |
| 自然対数 | $\ln2$ | 0.693147180559945 |
| 常用対数 | $\log_{10}5$ | 0.698970004336019 |
| 平方根 | $\sqrt{2}$ | 1.414213562373095 |
| 黄金比 | $\phi$ | 1.618033988749895 |
| 平方根 | $\sqrt{3}$ | 1.732050807568877 |
| 自然対数 | $\sqrt{e}$ | 1.648721270700128 |
| リーマンゼータ関数 | $\zeta(3)$ | 1.202056903159594 |
| カタラン定数(?) | $G$ | 0.915965594177219 |
| 平方根 | $\sqrt{5}$ | 2.236067977499790 |
| ネイピア数 | $e$ | 2.718281828459045 |
| 平方根 | $\sqrt{6}$ | 2.449489742783178 |
| 平方根冪 | $2^{\sqrt{2}}$ | 2.665144142690225 |
| 平方根 | $\sqrt{7}$ | 2.645751311064590 |
| 平方根系無理数 | $\sqrt{10}$ | 3.162277660168380 |
| 円周率 | $\pi$ | 3.141592653589793 |
| フィボナッチ逆数和(?) | $\sum 1/F_n$ | 3.359885666243177 |
【コード】Pythonで実数の値の取得
円周率 $\pi$ の値math.pi numpy.pi
平方根 $\sqrt{x}$ の値math.sqrt(x) numpy.sqrt(x)
対数 $\log_ax$ の値math.log(x, a) numpy.log(x)/numpy.log(a)
ネイピア数 $e$ の値math.e numpy.e
数直線の表示と点のプロット
【まとめ】ポイントノート
「実数」とは
モノの長さを表すために必要な数のこと。
数直線
基準点から, 直線上の各点までの長さは実数と1:1に対応する.
構成法
デデキント切断や有理数の完備化の方法が存在する.
A. 実数 $\mathbb{R}$ の性質
- 順序がある(全順序性)
- 隙間がない(稠密・完備性)[幾何的性質]
- 加減乗除ができる(体)[代数的性質]
- 濃度は $\aleph_1$(アレフ・ワン)である
B. 有理数 $\mathbb{Q}$
- 整数の比で表せる数
- 有限小数, 循環する無限小数
C. 無理数 $\mathbb{R} \backslash \mathbb{Q}$
- 整数の比で表せない数
- 循環しない無限小数
D. 実数に関連する記号
- 整数部分:ガウス記号$[x]$ & 床関数 $\lfloor x \rfloor$, 小数部分:$x- \lfloor x \rfloor$
- 大きさ:絶対値 $|x|$, 符号:符号関数 $\mathrm{sgn}(x)$
ポイント解説
B
有理数は整数 $\mathbb{Z}$ を含む。
C
$\sqrt{2}$, $\tan 1^{\circ}$, $\log 2$, $\pi$, $e$, 黄金数 $\phi$ が有名である。

B・C(2)
逆も成立する;
【有限小数】
例えば,
$0.25$
は $\frac{25}{100} = \frac{1}{4}$ で有理数である。
※既約分数表示すると, 分母の素因数は $2$ と $5$ のみ
【循環する無限小数】例えば,
$x=0.\dot{2}\dot{5}$
は $100x-x$ $=25.\dot{2}\dot{5}-0.\dot{2}\dot{5}$ であり $x = \frac{25}{99}$ で有理数である。
【循環しない無限小数】例えば,
$\sqrt{2} = 1.41\cdots$
を有理数と仮定すると矛盾が生じるので, $\sqrt{2}$ は無理数である。
発展
無理数は代数的数と超越数に分類できる。例えば $\pi + e$ は超越的か代数的かは未解決。



