- まとめ
- 目次
- 望遠鏡和
「数列の和」とは
$\displaystyle \sum_{k=1}^n a_k = a_1 + \cdots + a_n$.
A. $\{n^s\}_n$ の和の公式
- $\displaystyle \sum_{k=1}^n c = nc$
- $\displaystyle \sum_{k=1}^n k = \frac{1}{2}n(n+1)$
- $\displaystyle \sum_{k=1}^{n}k^2 = \frac{1}{6}n(n+1)(2n+1)$
- $\displaystyle \sum_{k=1}^{n}k^3 = \left\{ \frac{1}{2}n(n+1) \right\}^2$
B. 数列の和と一般項の関係
数列の和 $S_n$ について, $a_1 = S_1$ であり, $n \geqq 2$ のとき, $$a_n = S_n - S_{n-1} .$$
ポイント解説
A
$\{ c\}$, $\{ n\}$, $\{ n^2\}$, $\{ n^3\}$ の和の公式です。
参考
等比数列の和の公式は次です$$\sum_{k=1}^n a r^{n-1} = \frac{a(r^n-1)}{r-1}$$
参考
望遠鏡和と呼ばれる形で和を計算する方法もあります。「二項の差」の和の形に変形し, これが末項と初項の差になることを利用します。$$\sum_{k=1}^{n}(a_{k+1}-a_k) = a_{n+1} - a_1$$
B
和 $S_n$ から 数列 $\{a_n\}$ を求めています。
初期値である $a_1$ を求めることには注意が必要です。
例:$S_n=n^2+1$ は, $S_n-S_{n-1}$ $=$ $2n-1$ です。$a_n$ $=$ $2n-1$ とすると, $a_1$ $=$ $1$ です。一方で $S_1$ $=$ $2$ です。
★各詳細は今後書いていきます。
望遠鏡和
望遠鏡和という公式を使わない形で, 数列の和も求めることができる場合があります。
望遠鏡和の基本
二項間の差の和
$$\sum_{k=1}^{n}(a_{k+1}-a_k) = a_{n+1} - a_1$$
この式は、次のように利用する場合もあります。
$$\sum_{k=1}^{n-1}(a_{k+1}-a_k) = a_{n} - a_1$$
望遠鏡和の例(部分分数分解)
望遠鏡和その1
$$\sum_{k=1}^{n} \left( \frac{1}{k+1} - \frac{1}{k+2} \right) = \frac{1}{2} - \frac{1}{n+1}$$
いきなり計算しましたが、次の計算をはじめにする必要があることが多いですね。
$$\frac{1}{(k+1)(k+2)} = \frac{1}{k+1} - \frac{1}{k+2}$$
この計算を部分分数分解と言います。
望遠鏡和の例(分母の有理化)
望遠鏡和その2
$$\sum_{k=1}^{n}(\sqrt{k+1} - \sqrt{k}) = \sqrt{n+1} - 1$$
いきなり計算しましたが、次の計算をはじめにする必要があることが多いですね。
$$\frac{1}{\sqrt{k+1} + \sqrt{k}} = \sqrt{k+1} - \sqrt{k}$$
この計算を分母の有理化と言います。